五輪坂温泉 『としとらんど』
いやはや、今日の秋田は暴風雪警報発令。ものすごい地吹雪です。これでも甘いらしいですけど、ワタクシのような根っからの太平洋側人間にとっては、4月目前のこの天候というか風景は、かな〜り新鮮であります。寒すぎ!
雪が横から下から降るとはどういうことじゃあ!下から降るって言うのか?だいたい。フシギです。
で、こんな時は行きつけの温泉へ。ウチのカミさんの実家は県南の羽後町の山ん中です。その山から里に下る新しい道が出来たおかげで、この温泉もとても近くなりました。
「としとらんど」…言うまでもありません。以前も言及しました、秋田のネーミングセンスの妙です。妙…でも、これは妙すぎですよ〜!奇妙です。あまりにベタというか、こちらが恐縮します。
で、ここはけっこう大きな施設なんですけど、お風呂自体はかなり小さめです。日によっては、お年寄りで一杯になって、やっぱり恐縮です。露天風呂など二人でちょうどいいくらいの狭さ。まさに恐縮です。
そう、恐縮なんですよ〜ぉ!私にとっては。外国(!?)から来た若者(?)にとっては、ここはリラックスどころか、恐れ縮み上がる場所なのです。
いや、悪口で言ってるんじゃないんですよ。あまりに強烈な旅情を味わえるのでありまして、私にとっては非常に興味深い、しかし恐縮するスポットなのです。
つまりですねえ、具体的に申しますと、群れ為す地元のお年寄りの海に飛び込むのが、とっても勇気のいることなのです。だって、だって、話しかけられたら大変なんだもん!外国語ですから。もう何度も秋田に通ってますが、どうしても、地元のお年寄りの言葉は頭の中で文字に変換されません。文字化けします。
♨○?×▼※♪〒?卍□♧?☃♯……
まず、音韻体系が違うんですよ。私も古い日本語の音韻なんかを勉強してますけど、それらとも違う。たぶん、国際的な発音記号では表せない音韻だと思います。
というわけで、とにかくお風呂に人がいないことを願って行くしかないのです。今回は私のほかにあと二人ほどでしたので、ほっとしました。ふう。
いつもはカミさんが通訳してくれるんですけど(彼女は3世代前くらいまでの秋田弁もOKの強者)、お風呂じゃ別れ別れになっちゃうでしょ。だから、恐縮なんですよ〜。
で、入浴後がまたすごい。まあ、田舎の温泉ならどこでもそうでしょうけど、おっきな座敷があって(風呂の数倍でかい)、そこにその外国のおじいちゃんおばあちゃんたちが、満杯に詰まってるんですよ。今日もどこからか団体さんでバスでやってきたらしく、ほぼ満席状態。なんとか、空いてるところを見つけましたが、私などまさに陸の孤島、四面楚歌。いかにもエトランゼというオーラを出しているらしく、必ず声かけられちゃうんですよ。特に子どもと一緒だと。「あら〜めんこいこと」って感じで。私はなるべく気配を消してるんですけどね(笑)。
でエトランゼだと分かると、一生懸命標準語に近い発音でしゃべってくれるんですが、どうも一度パニックを起こした脳では、なかなか文字化けが治りません。適当にニコニコしながらうなづいたりして。で、パニックがひどくなると、わけもわからず「んだんだ」なんて言っちゃったりして、もう逝っちゃってます。
あと、戦慄が走るのはこれです。その座敷のお年寄り軍団、ビールなんか飲んでるんですけど、ある時間になると、みんな座敷にゴロンし始めるんですよ。一人寝始めると、まるで伝染病のように、みんなバタバタと倒れていく。最初そんな所にガラッと入った時なんか、まじで大量殺戮現場かと思いましたよ(失礼)。
もうそうなると、私なんか、アザラシの群れに囲まれた、小さな渡り鳥みたいなもんです。
本当はそんな様子を写真に撮ってこようかと思ったんですけど、さすがに恐縮しまして、やめました。
ふう〜。という感じで、私にとってこの温泉は、天国のような地獄のような、とにかくこの世のものとは思えない風情なのであります。としとらん、どころではなく、生きた心地がしません(笑)。でも、また行きたくなのるはなぜ?
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