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2006.03.08

『ヴァーティカル・ヴィジョン』 クリスチャン・マクブライド・バンド

『Vertical Vision』 Christian McBride Band
B00007M8SK 今年も花粉の季節がやってきました。しかし、昨年書きましたように、ワタクシ、重症の花粉症が治ってしまいましたので、今年も快適な春を迎えております。もちろん、今も一日一食ですよ。健康そのもの。風邪すらひかなくなっちゃった。薬も金もいらない究極の治療法です。ぜひ皆さん試してみて下さい。
 というわけで、今日は甲府の方に出張でした。気温もグングン上昇、風も適度に吹いて、皆さんクションクションしておりましたが、私は目も鼻も全く反応なし。ちょっと淋しいくらいです。ホントおととしの自分からすると信じられません!
 で、気分よく車の中で聴いていたのが、このCD。現代を代表するベーシスト、クリスチャン・マクブライドがリーダーを務めるバンドの2枚目のアルバム。3年前の作品です。
 昨日の記事に書いた400年前の西洋音楽と、この超現代的な西洋音楽、あまりに違います。ある意味たった400年でこれほど変わってしまうなんて。例えば、現代の日本語は400年前のそれとはこれほどまでには違っていません。いったい何がこれほど音楽を進化(としておきます)させたのでしょう。
 はっきり言ってしまいましょう。実はこの前紹介した橘川さんの小説にも似たようなことが書かれていたんですけど、アフリカがアメリカを通じてヨーロッパを呑み込んじゃったんですね。
 ちょうど16世紀にスペインが「奴隷貿易」を始めました。アメリカにはヨーロッパ人が移住するとともに、黒人もたくさん渡っていきました。そして、西洋音楽はアフリカのリズムを得るのです。
 社会的には、新大陸で、ヨーロッパ人がアフリカ人を支配したと言えます。しかし、皮肉なことに音楽の面では、力関係が完全に逆になっていきました。
 このアルバムを聴いていると、そういったことが鮮明にわかります。その筋的には「ウェザーリポート」風とかなんとか言えるのでしょうが、それ以前に、これは西洋音楽の解体ですよ。極論してしまうと、西洋音楽として残っているのは、楽器だけです!楽器の制約から、12音階や平均律は残っていますけれど、あとはメチャクチャですよ。
 いや、ここで鳴っている音楽はカッコいいし、美しいですよ。しかし、リズムの面でも、ハーモニーの面でも、メロディの面でも、ヨーロッパが一生懸命作り上げたものが完全に崩されています。ヨーロッパが必死に作り上げたコスモスをアフリカン・スピリットでかき混ぜちゃった。そしたら、カッコよく美しい模様になった…。
 クレオールなんですよね。ジャズもブルースもロックも。クレオール(言語)をサブカルチャーだなんて言う輩もいるようですけど、とんでもない。ハイブリッドこそ進化の要件です。
 そう考えると、明治以降の日本音楽史というのは、ある意味最強ですな。アフリカも入ってきましたけど、かな〜り迂回してますし。西から東から南から北から…、まあ民族も言語もそんな感じですけどね。日本って極東だと思ってましたけど、極西、極南、極北でもあるわけか。やっぱり最強に進化しているのかな。いや、限りない進化の過程とすれば、やっぱりネオテニーなのかも。正直自分でもよくわかりません(謎)。
 おっと、またまた話がそれた。このアルバムでのマクブライドは、かなりヨーロッパ的な演奏をしていると思います。かなりスマートにやってます。本人もそういうつもりでしょうけれど、実際聴こえてくる音楽は、先ほど述べたように破壊的です。
 いや、単に昨日からの流れで、そう聴こえるのかなあ。でも、こういう流れで音楽を聴くことも大切だと思います。
 ところで、花粉症はどうなんでしょう。たぶん、西洋文明流入のマイナス成果でしょうな。いいことばっかりじゃないってことか…って、この文もかなりカオスしてますね。そろそろやめます。では。

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