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2006.01.27

『モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ集』 リンダ・ニコルソン&ヒロ・クロサキ 

B00005HNYM 今日はモーツァルトさんの250歳のお誕生日だったような…。250年前というと、宝暦年間ですか。吉宗の息子家重の将軍時代ですね。ん?モーツァルトが生まれたのが宝暦6年で、山田検校が生まれたのが翌年、宝暦7年か。へえ〜、知らなかった。お二人が同時代人だったとは。
 お〜、山田検校が処女作『江の島曲』を発表した年に、モーツァルトは『戴冠ミサ』や『ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲』書いてるんだ。なんか不思議な感じですねえ。当時お二人は22、3歳。いずれ劣らぬ天才ですね。
 私はあまりモーツァルトが好きではありません。へたすると山田検校の方がよく聴いたし、演奏したかもしれません(って、考えてみれば自国の音楽家の方を聴いたり弾いたりするのが本当なのかも)。モーツァルトももちろん嫌いではありませんが、積極的に聴いたり弾いたりはしません。これは趣味の問題ですから、別に理由はありません。頼まれればいつでも弾いてきましたし。
 そんなモーツァルトの中で、比較的よく聴いてきたCDがこれです。今日はモーツァルトさんのお誕生日祝いにこれを聴きましょう。日本アカデミー賞1996年度室内楽部門最優秀レコード賞を受賞した作品です。
 たしか、これを買う前にテレビでお二人の演奏を観たんです。ものすごくヒロ・クロサキさんの表情が良かった。音楽より何より、ヴィジュアルからモーツァルトの良さが伝わってきた。こんな観賞法は邪道だと言われかねませんが、当時の音楽、いやいやどの時代の音楽にもヴィジュアルは大切ですよ。音だけの方が不自然。
 トン・コープマンの交響曲全曲演奏もビデオに録ってありますけれど、なんででしょうねえ、私のモーツァルトにはヴィジュアルも必要なようです。だから自分が演奏する時も、モーツァルト用の動きというのがあるんですね。ある意味、そういうフィジカルな音楽なのかもしれません。一般的な、というか日本人的なモーツァルトの受容とは、ちょっと違うかな?
 さて、そういう過程を経て買ってみたこのCDですが、意外やそのフィジカルな感じが聴きとれるんですね。演奏している姿、呼吸の具合なんかが見えるんですよ。たぶん、一度映像で観ているからでしょう。そういう効果ってあるはずです。こういうのってどういう仕組みなのでしょうか。脳の中でどのように処理されているんだろう。他の人とは違う情報が加味されるわけだし。そんなこと言ったら全てそうか。皆がそれぞれ固有の経験の上に現在を認知しているわけですから。
 おっと、話がそれた。え〜と、とにかく非常に明るく生き生きとしたモーツァルトが展開されています。リンダ・ニコルソンさんのフォルテピアノの表情も絶品ですし、ヒロ・クロサキさんのヴァイオリンも実に美しい。ピリオド楽器の良さが全て出ています。アンサンブル的にも見事。お二人の会話というよりも、音が絡み合って、そこにモーツァルト自身が立ち現れるという感じです。音楽と楽器と演奏者が、まさにモーツァルトを今ここに甦らせている。最も幸福な音楽のあり方でしょう。
 最後にちょっと個人的な話題を一つ。ウチの学校の卒業式、卒業生一人一人に証書を渡します。けっこう時間がかかるので、私の趣味で毎年このCDをBGMにしています。今年もまた、この曲に乗って、彼らが巣立っていくんだなあ。
 ああそうだ、これをぜひ読んでみてください。ヒロ・クロサキさんのインタビューなんですけれど、大変興味深い発言が多々ありますよ。
 
Amazon ヴァイオリン・ソナタ集

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