『スルメを見てイカがわかるか!』 養老孟司 茂木健一郎 (角川oneテーマ21)
今日はセンター1日目。ウチの生徒たちは相変わらず能天気で、半分楽しみながら受験している模様。いいことです。他愛のないメールのやりとりで緊張をほぐすのが、今日の私の仕事。あと、去年も書きましたけど、2ちゃんに張り付いて情報収集?です。
それでもまあ試験時間中はヒマと言えばヒマなので本を読みます。こちらの緊張をほぐすためでもあります。
で、今日はこの本を読んでみました。実はこの日のために取っておいたものです。ちょっと見て思いっきり没入できそうだったから。そして、その予想、当たりました。
今、私が最も尊敬する新旧「脳」関係者お二人による対談がメインとなったこの本。今私が考えていることが、私とは違った表現でそのまま書かれていたので、実に楽しく、しかし一方ではちょっと悔しく読むことができました。だって、お二人とも頭いいんだもん…。
茂木さんが「おわりに」で書いています。この本の中心にあるのは「手入れの思想」であると。「意識ですべてはコントロールできない、できるのは手入れすることだけである」…そう、スルメばかり見ていてはダメなのです…と、ここで、この本をお読みになっていない方は「スルメ」に面食らうでしょう。つまり、このタイトル、興味を引くけれど、一瞬難解であるわけです。そして実際読むと、なんだ、な〜るほど、となる。なかなか解りやすい比喩であることに気づきます。これはうまいネーミング(マーケティング)でしたね。そして看板に全く偽りのないこと、昨日の本とは大違いです(笑)。
ではここで、これも昨日の続きになっちゃって申し訳ないんですけれど、私の「モノ・コト」論と「イカ・スルメ」を結びつけます。分かりやすくまとめてみますか。
『イカ』 →「自然」「無意識」「田舎」「体」「生きもの」
=『モノ』「変化(無常)」…
『スルメ』→「人工」「意識」「都市」「脳」「情報」
=『コト』「不変(恒常)」…
各下段のモノ・コト以降は私の論なので、そこからまだまだ続けられますが、今日はやめときます。「萌え」とかまで行っちゃうので(知りたい方はこちらで探して下さい)。
お分かりいただけると思いますが、現代はスルメばかりになってるんですよね。デジタル化はそれを助長しています。で、もう一度イカとつきあおうというわけですね。私も大賛成です。つきあい方が「手入れ」です。「スルメ」にしてばっかりではいけない。
そういう意味では、私は、これからは「モノ」の時代だと思うのです。一般には「物より心の時代」なんて言いますけれど、私は反対です(おそらく養老さんも)。「ココロ」は「脳」です。「ココロ」と「凝る」は同源です。流動的な生を凝らす(固める)、つまり私の言う「コト化」を行なうのが「心」なのですから。「心より物の時代」…つまり昔(古代かな?)に帰ろうということでもあるわけですが、何しろ「脳」の機能自体が「凝らす=コト化=スルメ化」なので、なんとなく不可逆なような気もするのです。う〜ん、そこが辛い。
いっそのこと、原理主義(スルメ派)どうしケンカして、滅んでしまうといいなあ。究極の「コト」、唯一の「コト」は「ミコト」の示す「マコト」だけなのに、それを我々人間は愚かにも自分の脳ミソで実現しようとする。所詮、そこで生まれる「コト」は「エセコト」。たくさんの勘違いで生まれる「エセコト」どうしがケンカするんです。
こうなったら、新スルメ派の「オタク」という種に期待するしかないのでしょうか(笑)…ということは「オタク」こそが「ミコト」になれる存在?
神キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
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コメント
センター試験お疲れさまです。
富士北麓も雪になりましたね。
都会は一ケタの雪で大騒ぎですからね。
やはり、養老先生もおっしゃっている山里留学、
これから必修科目じゃないでしょうか。
投稿: よこよこ | 2006.01.21 20:39
よこよこさん、なんかお久しぶりですね。
やっぱり田舎がいいですよ。人間も生きものですからね。
のんびり楽しみましょう。
また近いうちに鍋など。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.01.22 07:24