『とんまつりJAPAN 日本全国とんまな祭りガイド』 みうらじゅん (集英社文庫)
今年の初読書は『正しい保健体育』でした。あんまり面白かったんで、みうらじゅんさんの著作をもひとつ読んでみました。
仏教やら音楽やら映画やら…なんとなくみうらじゅんさんとは趣味が合うので、どの本を読んでもだいたいはずれはありません(私にとってはね)。
そんな中今回選んだのがこれ、『とんまつり』です。これも私のツボにはまりまくりですねえ。またまた出て申し訳ないんですが、これってやっぱり「萌え」なんですよね。まず理屈抜きにツボにはまる。これこそ、古語における「をかし」なんですね。だから、この本なんか、読後感が枕草子の『祭りは』の段(そんなのないけど)そのものです。みうら先生はその「萌え=をかし」的感情を、「いったい、どーなってんだ!?」とか「どーかしてるよ!?」と表現しているわけです。
「をかし」の語源を「をこ(痴)」(=おばか)に求める学者さんもいます。私はその説は採らない立場なのですが、この本を読むと、なんとなくその説にも愛着がわいてしまいますね。踊る阿呆に見る阿呆。おばかな笑いの共振がそこにあります。
この本の解説はかの荒俣宏先生です。荒俣先生もみうら先生と同じような興味の対象をお持ちなんですが、みうら先生よりちょっと深入りするんですね。はたから見ればお二人ともりっぱな「オタク」先生ですけれども(お二人はご自分のことをオタクだと認めてるんですか?)、「オタク道」にもいろいろな流儀がありますからね。「萌え」倒すか、「語り」倒すか。どちらが正しいオタクかなんて考えてもしかたありません。
私も、入口のツボは同じでも、ちょっとお二人とは違う進み方をするんです。でもツボの共有は、共感の最も大切な要素ですから、私は勝手にお二人をお友達にしてます(笑)。方角差や温度差はあっても、コミケに集まる人たちが一つの種族としての連帯感を持つように。特に少数民族どうしの連帯は強い。
さてさて、また前置きが長くなりました。でも、もうこれ以上書けません。だって読んでもらいたいから。そしてツボを共有したいから。
それでもやはり、日本の持つこの本来の神道的パワーには触れておきましょう。この超先進国を支えるものが、こうした土俗的、原初的な「もの」であることを再確認するするのは大切なことです。
特に「おんだ祭り」「姫の宮豊年祭り」「つぶろさし」などに見られる、あけっぱなしな「性」のパワー。現代では、社会的には一応秘匿されつつ、実は深層に蠢く根源的なパワーです。
実はこうしたパワーが、「萌え」の感情にも強く影響しているのは皆さんご存知の通りです。このあたりの考察もしてみたいですね。
あっ、そう言えば「正しい保健体育」のところで提示したアンチテーゼ?の件、この本にみうらさん自身の答えが載ってました。
『オレは下品な発言こそするが、それは恥ずかしさの裏返しであり、ロックにあるアンチ精神だと思っている!』
なるほど、やっぱりね。さらに共感いたしました。
Amazon とんまつりJAPAN
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 『宗良親王信州大河原の三十年〜東海信越南北朝編年史』 松尾書店(2025.05.19)
- 『皆神山オカルト学序説 -ピラミッド説・皇居移転計画・カゴメ紋解析-』 長尾 晃(2025.05.02)
- 『だっこがしたい足くん』 そうた (Clover出版)(2025.04.29)
- 追悼 大宮エリーさん(2025.04.28)
- 国語便覧(第一学習社)(2025.04.25)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 光明寺さん(小山市)で思う(2025.05.23)
- 榮山寺のカオスとコスモス(2025.05.22)
- 吉野〜南朝の幻影(2025.05.21)
- 『超国宝』展 (奈良国立博物館)(2025.05.20)
- 私的「大鹿村騒動記」(2025.05.18)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 乙姫さま降臨(2025.05.26)
- 豊橋〜名古屋〜大阪難波 特急の旅(2025.05.25)
- 岡崎市円山の神明宮と古墳群(2025.05.24)
- 光明寺さん(小山市)で思う(2025.05.23)
- 榮山寺のカオスとコスモス(2025.05.22)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- 乙姫さま降臨(2025.05.26)
- 岡崎市円山の神明宮と古墳群(2025.05.24)
- 光明寺さん(小山市)で思う(2025.05.23)
- 榮山寺のカオスとコスモス(2025.05.22)
- 吉野〜南朝の幻影(2025.05.21)
「モノ・コト論」カテゴリの記事
- 地震と大相撲(2025.03.30)
- ハイデガーVS道元…哲学と仏教の交差するところに、はじめて立ち現れてきた「真理」とは?(2024.06.03)
- 文字を持たない選択をした縄文人(2024.02.14)
- スコット・ロスのレッスン(2024.01.12)
- AIは「愛」か(2024.01.11)
この記事へのコメントは終了しました。

コメント