『北の錦 北斗随想 純米吟醸しずくどり』
これはホントうまい楽しい酒でした。チェンバリストの森洋子さんにいただきました。お世話になった上にいつもすんません。
昨年は「國稀」でした。今回もよくわかりましたが、北海道のお酒って、本当に軽やかですね。軽やかっていうのは、淡泊というのとは違いますよ。楽しげに舌の上で転がる感じなんです。
夕張郡栗山町の小林酒造さん、ホームページを見るとなかなかユニークな発想をお持ちの会社のようです。もちろん職人気質のこだわりは当然あるでしょうが、何か心からお酒造りを楽しんでいる、そしてその楽しみを皆で共有している感じがしますね。それがそのまま味に出ているのだと思います。
水は北海道各地にそれぞれの最適なものを求めたり、レンガ造りの酒蔵でコンサートを開いたり、お客さんを巻き込んでのいろいろなイベントを企画したり。こんなのもある意味北海道の気風なのでしょうか。
食べ物や飲み物も作品です。作品には作者の心が反映して当然です。というか、それこそが作品の条件とも言えますよね。単なる製品とは違う。特にこれらは生きもの相手の創作活動ですから、やはり気持ちというか心というものが大きく影響することが想像されます。
知る人ぞ知るというような、開業以来頑固一徹の蔵の味もいいですけれど、こういうオーブンなムードの蔵の味もいいですね。あんまり楽しいんで、ついつい呑みすぎてしまいました。というかもう空っぽです。ごちそうさまでした。
北海道の気風ということで、ちょっと脱線します。
出口王仁三郎のひな型理論の一つの例として有名な、日本地図と世界地図を(無理やり)対応させる考え方、御存知ですか。これを見て笑うもよし、感心するもよし、とにかく面白いですよ。ちょっと右の画像をクリックしてみてください。
この画像は、赤瀬川原平師匠の『優柔不断術』から勝手に拝借しました。この本、いつもの原平節で最高に面白いんですが、この王仁三郎の地図についても、独自のセンス(私は原平力って呼んでます)で、それこそ軽やかに料理してます。『伊豆半島とインド。そういえばあの辺り、お茶の産地ではないか』てな感じで(笑)。
それはそれとして、え〜と、この地図によれば、北海道はアメリカ、いやアメリカが北海道か…とにかく新大陸なんですね。たしかに新大陸だ。原住民を追っ払って本土?から移住した(ちょっと語弊があるかな)という意味でも対応しているわけです。偶然のアナロジーでありましょうが、面白いですね。ま、そんなわけで、北海道は運命的に自由、進取の国なのです。そう思って飲むと、北の錦もまた乙な味わいがあるのでした。ふ〜酔っぱらった。
ん?オレの住んでるところって、もしかしてエベレスト?寒いはずだわ。
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コメント
こちらこそ、いつもお世話になってます。
楽しくお飲みいただけたようで良かったです。
夕張の酒蔵にも行ってみたことがありますが、
なかなか良かったですよ。
昔ながらの醸造所は迷路のようだったり、
博物館のようだったりで楽しかったな。
では、クリスマス、もうひとがんばりいたしませう。
投稿: よこよこ | 2005.12.19 22:28
よこよこさん、ごちそうさまです。
あそこはコンサートもできるようですね。
いつかあそこで演奏会でも…いや呑む方がいいな(笑)。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2005.12.20 10:51