マイケル・ジャクソン 『オフ・ザ・ウォール』
Michael Jackson 『Off the Wall』
私にとってのマイケルは『オフ・ザ・ウォール』です。というか、理解可能なマイケルはこれだけということです。かといって、理解できないマイケルに価値を認めないわけではなく、こちらに書いたように、ボーダーを越える存在として、つまり分別されないモノノケとして、高く評価しています。
でも、やっぱり純粋に音楽として聴くとしたらこれですねえ。
79年ですか。中三かな。それまで聴いていた音楽が、どちらかというとブリティッシュ・ロックでしたので、いわゆるディスコな曲には、当初抵抗がありました。しかし、私も世間の波に逆らいきれず、また、溢れんばかりの若きエネルギーを持て余し、ラジオから流れる音楽に乗って一人ヘタな踊りをついつい踊っちゃったりしてました。
そして、ついにはこのアルバムを小遣いはたいて買うまでにいたったのです。そして、部屋で踊りまくる…かと思いきや、さにあらず…だって、畳の上で踊りまくると、レコードの針が飛ぶんだもん。だから上半身だけです、踊るのは。ああ、懐かしきアナログ文化。
で、実はその時のアナログ盤『オフ・ザ・ウォール』を地下室から数十年ぶりに引っ張り出してきたんです。それで、久々にレコードプレイヤーで聴いてみた…かと思いきや、さにあらず…職場の同僚の女性にあげちゃいました。いや、正確に言うとデジタル盤『オフ・ザ・ウォール』(つまりCD)と交換しました。
え〜、なんで〜?とお思いの方、私も同意します。普通そんな大切な思い出の品、それもかなり保存状態良好で、いくら大量に出回っているとはいえ、中古市場でそれなりに評価されそうな品を…。
実は、前の記事にもちょっと書きましたけれど、その同僚の女性は、まじで「マイケル信者」なのです。というか、そのご家族あげて皆さん信者さんでいらっしゃるのです。当然彼女たちにとっては、ものすごい価値のあるシロモノということになりますね。で、私は考えたんですよ。このレコードも地下室で眠ってるより、敬虔な信者さんによって大切に奉納され、そして年に数回くらいは封を解かれて針供養される?(つまり再生される)のも幸せなんじゃないかなあ…。
私以上にこのアルバムに思い入れのあるカミさんにも、一応お伺いを立ててみました。そしたら、予想に反して、「うん、CDで毎日聴ける方がいい」だと。たしかにカミさんはカセット!で聴いていたので、別にレコードじゃなくてもいいわけだ。というわけで、このような物々交換が成立したのですよ。
もちろん信者さん(及びそのご家族)は狂喜乱舞いたしました。そして、CDを手に入れた私どもご家族も、針飛びを心配することなく、毎夜狂喜乱舞しております(ああ、娘たちとこの曲で踊れるなんて…)。めでたし、めでたし。
前フリが長くなりましたが、いやあ、あらためて聴くとホントすごいアルバムですね。どの曲も最高です。不思議と大人になった今聴いても、昔と同じ感覚で受け入れられます。ただ、ちょっと音楽に詳しくなった私が毎度うならされるのは『I Can't Help It』ですね。スティービー・ワンダーって…(今さらながら)天才。
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