Keynote
明日、地元で地域教育フォーラムというのがありまして、そこで急遽発表なんぞをすることになりました。で、今必死にプレゼンなどを準備しております。って明日なのに…間に合うのか?いつもこんな調子です。
こういう時に重宝するのが『Keynote』です。知る人ぞ知る、Macのプレゼンテーションソフトですな。
なんといっても、某「力点」(笑)とは比べ物にならないセンスのよさ。まさに林檎と窓の違いを象徴しています。機能的にはパワーポイント…いやいや力点の方が豊富でしょう。事務機器は機能性重視です。業務連絡にはそれで充分。その点、Keynoteは自己表現メディアとも言えるほど、イメージを重視しています。
情報伝達には演出が必要です。つまり物語の方法です。歴史的記憶に残る物語たちは、例外なく優れた演出を持っています。それどころか、内容よりも演出の力によって名を残した作品の方が多いほどです。
私の物語論によれば、相手にとって未知な「もの」を「語る」ことによって「こと」として固定するには、それ相応の「語り方」「語り口」が必要とされ、その「語り方」「語り口」こそが、結果として相手に「語る」願望を生起させるか否かの要因になるのです。
つまり、語り方(もちろん「騙り方」の時もあるわけですが)次第では、相手の脳内に強い「こと化」が生じ、その結果、その相手も誰かに語りたくなる。そうして「語り継がれる」わけです。そうなれば最初の語り手の語りは成功したということになります。これは音楽や美術や小説やテレビ番組や…とにかく何にでも言えることなんですね。
なんて、まあそんな小難しい物語論は置いといて、とにかく、内容は別として、インパクトを与え、会場の人たちの目を引きつけるには、こうした演出こそが重要です。何でもそうですけれど、一回きりのパフォーマンスには一回きりの流儀というものがあるわけです。これはごまかすとか、そういう悪い意味ではなく、リアルタイムでいかに退屈させないか、いかに楽しませるか、ということです。
最近のメディアは保存性が高いので、繰り返しの観賞に堪えるようにしなければならず、制作者は大変です。しかし、皮肉なことに本来反復して観賞されることを想定していないものが、実は反復して最も面白い、ということもよく起きます。昔のテレビ番組なんかね。その点ドリフなんてものすごかった。いずれおススメしますわ。
ああ、こんなこと書いてるうちにどんどん時間がなくなっていく!とにかく、Keynoteはクールなんですよ!だから表現意欲もわく。別にプレゼンでなくとも、なんとなく自分の考えをまとめてみたり、日記をつけてみたり、ナンセンスなストーリーボードを作ってみたり、よくあるフラッシュみたいにおバカな作品に挑戦したり、いろいろと遊べますよ。
というか、授業をこれでやったら、生徒は退屈しないだろうなあ。こっちも一度作れば楽だし。あの前近代的な、黒板とチョークとあの謎の黒い帯の付いた黒板消しは、どうも納得いかん。不条理だ。いや、学校ってそういう不条理の塊だからこそ面白いし、勉強になるのか。Keynoteじゃあ縦書きできないし(今ではこうして縦書きしてます)。国語科としては致命的だなあ。アメリカ発のソフトだから仕方ないか。ああ、なんか言ってることがメチャクチャだ。
つまり、焦ってるんです。やばいんです。こうして現実逃避してるんです。ああ…現実に戻りまつ。さよ〜なら〜。
| 固定リンク
「パソコン・インターネット」カテゴリの記事
- 『オタク用語辞典 大限界』 名古屋短大小出ゼミ (三省堂)(2024.02.26)
- モノクロ現像を楽しむ(2024.01.29)
- Suno AI(音楽生成AI)で遊ぶ(2024.01.21)
- 教育とAI(2024.01.16)
- ひろゆき関連動画(2024.01.15)
「文学・言語」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 富士山と八ヶ岳のケンカ(2024.08.10)
- 上野三碑(こうずけさんぴ)(2024.08.06)
- 東北のネーミングセンス(2024.07.28)
「モノ・コト論」カテゴリの記事
- ハイデガーVS道元…哲学と仏教の交差するところに、はじめて立ち現れてきた「真理」とは?(2024.06.03)
- 文字を持たない選択をした縄文人(2024.02.14)
- スコット・ロスのレッスン(2024.01.12)
- AIは「愛」か(2024.01.11)
- Re:Hackshun【目せまゆき&成田山幽輔】安倍さんは、あの解散をどう考える?(チョコレートプラネット チャンネル)(2023.11.21)
コメント
お久しぶりです。
Keynote、いいですよね。いつも使っています。学会の指示でPPTを余儀なくされる時は本当にうんざりします。どうしてPersuasionの開発をやめてしまったのだろうと嘆いていたところにKeynoteを知り、以後愛用しています。
ただ、使い勝手が悪いのもありますね。スライドの順番を大幅に入れ替える時とか、全体が見渡しにくいのが困り者です(私が使い方を知らないだけか?)。また、プレゼンテーション間でスライドをやりとりするやりかたもよくわからず、一枚一枚コピーペーストしていたり。フォントサイズがぐにゃぐにゃ変わるのもいいのですが、いちいちフォントパネルを開くのが大変だったり(ディスプレイが小さいだけ?)。
あと、サードパーティ製のテーマが他にもあった筈なのですが、地味系のテーマを純正でもう少し用意しておいてほしかったように思います。いろんなトランジションがあって、つい使ってみたくなりますが、使いすぎは逆効果なので自重するのが大変です。
メールアドレスは、拾われるといやなので嘘を書いてしまってます。すみません。ここに書いたアドレスは公表されないような気もしているのですが・・・
投稿: TKJ | 2005.11.02 23:51
TKJさん、お久しぶりですね。と言っても、毎日のようにブログ読ませていただいてます。
TKJさんのお仕事とは…?またナイショで教えて下さい。
そう、フォントパネルはなぜインスペクタに含まれないのでしょうね。
あとおっしゃる通り、いろいろやりすぎると最悪。そのへんの自重のしかたは経験するしかないですね。ビデオの編集といっしょです。
記事にも書きましたが、縦書きできたら授業で使えるのですが。無理ですかね。
ついでと言ってはなんですが、こんなところで業務連絡?
実はELO来日時の生写真を持っていまして、ここでおススメしようと思って探したところ、どこかにまぎれこんでしまったようです。
がんばって探します。見つかり次第アップしますので、お楽しみに。
では。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2005.11.04 14:11