ステファン・グラッペリ&マッコイ・タイナー 『ワン・オン・ワン』
『One on One』 Stephane Grappelli & McCoy Tyner
このアルバムは非常に面白い。興味深い音楽が展開されています。
グラッペリおじいさんについては、今までも何度もおススメしておりますが、マッコイ・タイナーおじいさんについては初めてですね。
まず、この二人がかみ合うのか、これは正直心配です。お二人とも大ベテランであり、それぞれものすごい実績を残しているわけですけれど、あまりにジャンルが違います。思いっきりスウィング・ジャズのグラッペリと、思いっきりモード・ジャズのタイナーですから。ジャズと言って一括りにするのは簡単ですが、実際には多くの流れがあって、その多くは意外に落ち合わないんですよね。
そんなわけで、まさに不安と期待にドキドキしながら聴いてみると…。こ、これは確かに不思議な音楽だ。
お互い多少の歩み寄りはあったと思いますけれど、かなり違和感のある、いや考えようによっては実に新鮮な響きがしてきます。Amazonの試聴だけでも、おわかりになるでしょう。
モード的な和声とタイナー独特のリズム感は、はっきり言ってなかなかスウィングしません。どちらかというと重く響きます。そこにいつもの軽妙なグラッペリ節が絡むわけですから、なんとも言えない違和感が…。
しかし、不思議なものですね。演奏されている曲が超スタンダードばかりということもあってか、慣れてくるにつれ、その違和感はたしかに新鮮さに変わっていきます。異種格闘技戦の不自然な感じとは違って、そうですねえ、やはりこれに近い感じでしょうかねえ。新鮮ではありますが、残念ですが、快感にはなりませんでした。
おそらくこの企画はマッコイ・タイナーの方からアプローチがあったのだと思います。グラッペリ翁と共演したがった演奏家は、本当にいろいろなジャンルに及んで無数にいたそうです。それはそうでしょうね。何人かの演奏家は、それぞれ超一流であったからこそ、その夢を叶えたわけですけれど、その中で本当にグラッペリと完璧な共演を実現できたのは、いったい誰でしょう。私が知る限り決してたくさんはいません(こちらも参照あれ)。次はその希有なアルバムを紹介できるといいですね。いちおう予定はありますので、お楽しみに。
Amazon One on One
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