現代の名工…矢入一男さん(ヤイリギター)
矢入さん、おめでとうございます。私もK.Yairiユーザーとして非常にうれしく思います。まさに名工、ギター職人という称号は彼のためにある。私が持っているのはギターではなくベースですが。
現代の名工という表彰制度、なかなかいいですね。男としてはあこがれる称号です。男は子どもを産めないかわりに、「こと」をなす。つまり「為事」、「仕事」をするわけです。女性がいい子を産み育てるように、男はいい仕事をする。それを極めると名工になる。
「現代の」という前置きはちょっと変といえば変ですね。「名工」は決して「過去」のみの存在ではない。マイスターですよね。ただの名工でいいと思うのですが。
さてさて、岐阜の小さな楽器工房とも言ってよいヤイリギターさんですが、その知名度はまさにワールドクラス。ポール・マッカートニーやリッチー・ブラックモアなんかも愛用したとか。日本人でもプロアマ含めて熱狂的なファンが多い。
楽器製作の世界に限らず、職人さんは非常にアナログかつトラディショナルです。今日の朝、NHKで紹介されてましたけれど、今回の名工の一人、仏像などを運ぶ職人さんも、あえて手袋をせず、素手で作業をしていました。梱包材もヒモも全て和紙。矢入さんも木の選定から、乾燥具合の見極め、工作に至るまで、全て「長年の勘」だけが頼りだと言います。
こうした職人気質の生き方というのを、日本人はずっと得意としてきました。これほどハイテクにデジタルになった今でも、こうして地道に本物を作り続けている方々がたくさんいらっしゃるのでしょう。矢入さんの言葉がじ〜んと胸に迫りますね。
「効率を考えたら本物はできない。旅に例えればローカル線の旅。のんびり景色を楽しんだり、駅ごとに降りたりする。このロスタイムこそ、『いい音色を生む天使』が宿る時間になる」
今、K.Yairiは若者の間でもブームになりつつあります。手づくり…昔当たり前だった言葉が、いまやブランドにまでなっているのですね。喜ばしいような哀しいような。
私は仕事柄、現代の名工には選ばれないでしょうが(当たり前か)、やはり手づくりの仕事を心掛けたいですね。もちろん子育ても、です。
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