あっぱれ和泉元彌&鈴木健想!
今日は文化の日。私は横浜の開港記念会館でコンサート。強敵バッハのコンチェルトと格闘して惨敗。タッグを組んだTさんごめんなさい。私は自らの不甲斐なさにすっかり意気消沈。引退という二文字も浮かびます。
さらに思いもよらぬアクシデントのため、楽しみにしていた打ち上げにも参加できずガックリ。午後5時ごろ横浜の渋滞の中で一人録音を聴きながらたそがれてました(笑)。
さてさて、私がそんな情けない状態でいるまさにその時、そこ横浜では、世紀の対決の幕が切って落とされようとしていたのであります!
横浜アリーナ「ハッスルマニア」。自分の試合…いやいや演奏会がなければ当然参戦…いやいや観戦していたであろうイベントであります。興味深い対戦の多い中、やはり私の最大の関心は「和泉元彌vs鈴木健想」にありました。
あのお騒がせ狂言師和泉元彌が元WWEのスーパースター鈴木健想とプロレス対決するのであります。もう、この時点で「はあ〜?」という方、この先はお読みにならない方がよろしいかと。私はまじめに論じますけれど。
結論から言いますと、プロレス初体験の和泉元彌が世界を股にかける筋金入りのプロレスラー鈴木健想に、プロレスで勝利いたしました。ここで再び「はあ〜?」と思った方、絶対にこれ以上お読みにならないでください。
ここがプロレスのプロレスたるところです。いちおうこの記事もスポーツというくくりに入れましたが、こちら(小橋vs健介)でも書きましたように、プロレスは文化です。本当の意味での「芸」「術」です。キング・オブ・アートです。ですから、狂言師がリングに上がるのは全然不自然じゃない。どころか、狂言の本来の性質からすれば、それはプロレスと非常に高い親和性を持つはずです。
常々、プロレスこそが日本の肉体的伝統文化の継承ジャンルだと考えてはばからない私であります。相撲や総合格闘技が、スポーツという近代西欧文化に迎合せんとして、自らその役割を放棄してしまった現在、こうしたエンターテインメント系のプロレスこそが、能や歌舞伎、そして狂言の本流を継承するものだと、真剣に考えています。
そういう意味で、今日の和泉元彌の挑戦は実に意義あるものであったと思います。眉をひそめる方々、特に近代西洋的な意味での「芸術」の伝統やしがらみにとらわれている方々、みなさんのお怒りこそが、逆説的に日本の近代化、西欧化の弊害を証明しているのであります。皮肉なものです。
和泉元彌も偉いが、それを堂々受けて立って、見事に負けブックを飲み、それを最高の形で演出した鈴木健想、あなたも真の勇者だ。さすがWWEでホンモノのエンターテインメントを経験しただけのことはある。
試合内容というか舞台内容も良かったようですね。全てに徹底しています。興味を持った方はこちらでその雰囲気を味わってみて下さい。まあ、私もこれを読んだだけで、実際観劇したわけではありませんからね。
明日、あさっても私はイベントが目白押し。ちょっと疲れ気味ですけれど、今回のハッスルマニアにも参戦したミスタープロレス天龍源一郎55歳に比べれば。3日ハッスルマニア、4日ドラゴンゲート、5日ノアで三沢光晴とシングルですからねえ。尊敬します。プロはすごい。私も本職の方でプロと呼ばれるよう頑張りますわ。
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コメント
りょも!TBさせていただきました!!ほんと久々に面白いプロレス興行でした!!天龍はこの3日間はフル出場ですよね!!
頑張ってほしいものでです。
投稿: ジュン | 2005.11.04 14:49
ジュンさん、コメント&TBどうもです。
いやあプロレスはいいですなあ!
理屈抜きで楽しめる興行がいいですよね。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2005.11.04 16:13
ワイドショーで映像一部でしたが観ましたよ。
いや、面白かったです!
普段プロレスも格闘技系も観ないんですけど、
やはり、みんな「芸」があるからでしょうね。
和泉元彌のやったことは今後確かに歌舞伎や狂言的な「型」として確立するかもするかも
しれませんね。
ってプロレスはすでに「型」の面白さなんだっけ。
投稿: よこよこ | 2005.11.05 01:45
よこよこさん、コメントどうもです。
そうプロレスは「型」の文化です。
まさに日本的なんですね。楽しみ方が分かるとはまる、というヤツです。
小津や寅さんみたいなもんです。
これを機にぜひともプロレス文化を御賞味ください。
音楽にも通じますよ。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2005.11.05 12:33