エイモス・リー 『エイモス・リー』
Amos Lee 『Amos Lee』
昨日からの続きになりますね。癒してくれるボーカル男性版です。エイモス・リーは、まずはノラ・ジョーンズの前座として注目されました。ノラのコンサートに来た人たち、びっくりしたでしょうねえ。前座でいきなりこれですから。ノラファンなら、みんなしびれちゃったでしょう。
昨日のホリー・コールもそうですが、いわゆるジャズ・シンガーとは違う、トラディショナルでありながら新しいジャンルなんですね。ノラがカントリー寄りなら、エイモス・リーはフォーク寄りとでも言いましょうか。だから、そういうジャンル分け自体がナンセンスなんですよ。私もそうですが、人間ってホント分節化が好きですね。本能なんでしょう。
ノラもエイモスも老舗ブルーノートからデビューしました。ブルーノートは以前から新しい音楽に寛容であったように思います。Us3も象徴的でしたね。最初はえ〜?ブルーノートが?と思いましたが、ものすごく良かった。おおげさでなく、あれがhip-hopの系譜を確かなものしたわけですから。老舗でありながら、いや老舗であったからこそ、ジャズの本質である自由と融合の精神を守っているのでしょう。非常に健全であると思います。こういうところは、アメリカの、ニューヨークのいいところですね。
さて、これも昨日の記事やノラの記事と重なりますけれども、エイモス・リーの歌にあるのは、歌に対する愛情と敬意です。だから、ものすごくていねいなんです。そのていねいさが私たちの心を癒してくれるわけです。
また、エイモスに関して特筆すべきことは、その作曲能力です。このデビューアルバムは全て彼の楽曲です。昨日も書いたように、メロディーこそ音楽の命です。その命を、それも非常に魅力的な形で生み出すことの出来る彼の才能は素晴らしい。歌が上手だというだけではなく、その歌を自ら生み出すのです。そうして生み出した自分の子どもを慈しむ、その自然な人間の姿が、私たちの胸を打つわけですね。
エイモス・リーは今年、ボブ・ディランのツアーに帯同しているとのこと。たしかにディラン的な要素も感じ取れますね。こうして、本来の、あるべき姿のアメリカを歌い継いでいってほしいものです。
ちなみに、こういうのを聴いちゃうと、某平井堅さんとか、ちょっと辛いっすね。がんばってますけど。
Amazon エイモス・リー
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