『グッバイガール』 リチャード・ドレイファス主演作品(&デビッド・ゲイツ『グッバイガール』)
隠れたる超名作。この映画が980円で手に入るようになったんだから、なんと素晴らしい世の中なのでしょう。
洋画もそこそこ観ている方だと思いますが、もしベスト3を選ぶことになったら、この作品ははずせませんね。
タイトルにはリチャード・ドレイファス主演作品と書きました。彼のものすごい演技はたしかにこの作品の魅力の一つです。主演男優賞総なめでしたからね。天才だと思います。かっこわるいけれどかっこいいんだな、男から見ても。
しかし、この映画の良さは彼だけでは語れません。当然ニール・サイモンの本の素晴らしさがまずあります。ブロードウェー、イギリス、日本…世界各国の舞台で演じられてきた名脚本です。ニール・サイモンの脚本って、なんか日本的なんだよなあ。というか三谷幸喜がニール・サイモンの二番煎じか(失礼)。安定した流れとリズム感、饒舌なようで無駄のない言葉たち、肝心なところは言葉を慎む。
ポール役のマーシャ・メイソンもいいですよ。なかなかカワイイ中年?女性を演じています。相手がドレイファスでなければ主演女優賞も可能だったかも。娘のルーシー役のクィン・カミングスがまたいい味出してますね。大人二人よりも大人な子どもを見事に演じています。グッジョブ。
デイヴ・グルーシンの音楽というか、デイヴィッド・ゲイツの主題歌が泣かせますねえ。私はゲイツの「グッバイガール」を中学1年の時聴きました。ちょっと個人的な事情があって、ものすごく心に響きました。日本ではこの曲も発売されず、また映画もしばらく公開されなかったと記憶しています。ヴィデオもなかなか手に入らなかったし、テレビでも放映されなかった。初めて観たのはNHKのBSだったと思います。念願叶うまで20年近くかかったのでは。ちなみにゲイツのアルバムも同時期にようやく手に入れました。かなり渋い歌手ですけれど、アルバムとしてのクオリティーは非常に高い。大人の音楽です。
この映画、そんなわけで日本人にはあまりなじみがなかったかもしれませんけれど、洋画ベスト100とかには必ず上位に食い込んでました。派手さはありませんが、なぜか心にしみる映画ですね。単なるハートフル・コメディーという言葉でくくるのは躊躇されます。
中学生の頃は、「グッバイガール」というのだから、きっと別れの映画なのだろう、と思っていました。しかし、その真意は…。さすがニール・サイモンですね。その答えは実際に御覧いただけば感動とともにおわかりいただけると思います。あっ、もちろん、監督さんのハーバート・ロスもいい仕事してますよ。
これほど何度観ても楽しめる作品というのはありません。今なら980円ですし一枚お持ちになっていても絶対に損はありません。ミュージカル版やプレイ版もいろいろ観てみたいなあ。そう言えば、去年でしたか、新グッバイガールと銘打って、テレビドラマが制作されたみたいです。これもなかなか好評であったとか。ただ想像するに、誰が演じてもこの映画版を超えるのは難しそうですね。
あっ、そうそう、途中唐突に日本人が登場します。あれは笑えます。ただの日本人が日本語しゃべってるだけなんですけどね。妙に笑える。日本人てカッコ悪いっすね。
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