中森明菜 『ZERO album〜歌姫II』&『歌姫 ダブル・ディケイド』

歌謡曲バンドの路線をみんなで考えているんですけれど、まあ、みんな大人だし、パーカッションもあるので、ちょっとラテンぽくしようか、なんて話も出ています。
歌謡曲とラテンというのは、実は非常に密接な関係があります。昭和の歌謡曲は、洋の輸入によって大きく発展しました。アメリカ、フランス、イタリア、ロシア…。まさに日本文化の面目躍如といった風です。つまり、輸入ではあるけれども、そのまま全てを受容するわけではない。有史以来の日本がそうであったように、和の基本は決して崩さず、外来の文化を消化していく。歌謡曲においても、メロディーはヨナ抜き、ハーモニーやアレンジは洋、というものがどんどん作られ、そしてそれがまた自然に響き、自然な感じで大衆に受け入れられていきました。実際、今の歌謡曲…J-POPもほとんどがそうやって作られています。漢字の受容状態と全く同じですね。すごい。
で、その輸入されて消化された洋の中に、ラテンというジャンルもありました。というか、ラテンが最も日本人の腹の中でこなれたものかもしれません。もちろん、ラテンと一言で言っても、そこにはルンバ、マンボ、サルサ、レゲエ、スカ、サンバ、ボサノバ、タンゴなどが含まれます。地理的にも音楽的にもかなり遠い存在であるそれらが、なぜか日本人にはしっくり来た。その遠さが憧れの対象になったのか、それともぐるっと回って実は近かったのか、それは分かりませんけれど、とにかくラテン音楽はものすごい勢いで消化されていきました。
ですから、現代の大人、そうですねえ、いわゆる中年以上の人々にとっては、ラテンテイストというのは、どこかしっくり来るものであり、またオシャレでもあり、そしてノスタルジックでもあるわけです。で、中年バンド(いや失礼、20代、30代もいたっけ)としては、その方向に向かってしまうのは当然のことなのかもしれません。
なんか講釈が長くなってしまいました。当たり前のことを長々と書いてしまった。とにかくそんなわけで、ラテンアレンジの勉強をしようかな、と思って、iTunes Music Storeで中森明菜の2枚のアルバムから13曲を購入してみました。試聴して、これはラテンだな、というものを選んで1枚のCDにしてみたわけです。こういうところはiTMSのいいところですね。2600円もかかっちゃいましたが。借りればもっと安いのにね。
曲目はこんな感じです。
1.Tattoo 2.Tango Noir 3.北ウイング 4.Sand Beige - 砂漠へ 5.Desire - 情熱 6.セカンド・ラブ 7.飾りじゃないのよ涙は 8.スローモーション 9.桃色吐息 10.シングル・アゲイン 11.色彩のブルース 12.秋桜 13.異邦人
1から8までは『ダブル・ディケイド』から、つまりセルフ・カバーです。9から13までは『ZERO』から。9は高橋真梨子、10は竹内まりや、11はEGO-WRAPPIN’、12は山口百恵、13は久保田早紀のカバーですね。
この両アルバム、今回ダウンロードしなかった作品もなかなか名曲ぞろいなんですよ。本当は全部聴きたいところですが、いちおう教材ということで…。
基本的に中森明菜は「大人」路線でしたからね。現役アイドル時代から、松田聖子とのコントラストという意味合いもあって、ちょっと影のある大人を演じさせられてきたのでしょう。そんなわけで、当時からラテンが似合ってました。そして、「歌姫」シリーズでは、酸いも甘いも経験して本当の「大人」になった彼女が、さらなるラテンテイストで迫ります。
う〜む、なかなかよい出来です。アレンジもうまい。ZEROの方は、千住明ですか。渋いはずだわ。とにかく中年にはたまらないアルバムですよ。昔は完全なる松田聖子派だったんですけど、明菜の良さも分かりました。オレも大人になったんだなあ。
Amazon ZERO album〜歌姫II 歌姫 ダブル・ディケイド
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