『ブッダの夢』 河合隼雄・中沢新一 (朝日文庫)
昨日の対談集はたいへん面白かった。そして、今日読み直したこちらも同じくらい興奮させられました。
河合隼雄さんもかなりの大物ですよね。大物の特徴としてのおやじギャグ。これは言霊ですね。その最高峰が出口王仁三郎ですか。
さて、そんな王仁三郎とも縁があると言えばある中沢新一さん、この方も大変頭の良い方です。大物かどうかは わかりません。まだ若いのでこれからでしょう。
このお二人の対談ですが、一見脱線したり、脱線どころか話題がワープしているように思えますけれど、それは「ブッダの夢」じたいがそういう存在なので、当然と言えば当然。それだけブッダの夢が壮大だということです。
霊界物語なんかそういう類の最たるものですね。われわれ常人の世界がいかに狭苦しいことか。そうした夢の内容は理解できなくとも、自分の矮小さに気づくことは誰でもできるはずです。夢は無限に自由ですからね。うつつは時間にも空間にも縛られています。
さてさて、ブッダには及ばずとも、常人ではないお二人さん。夢の世界の入り口で楽しそうに遊んでおられる。うらやましいですね。なんかこういう本を読むと自分のパカさ加減がよく分かって辛いんですよね。辛いけれど、もう諦めの境地に入ってますから、ある意味プロスポーツを楽しむような感覚で読めるようになりました(笑)。
でも、そんなお二人の会話に、私も多少は参加することができましたよ。あっそうそう、そうですよねえって。その程度ですけれど。構造主義が仏教につながっているとか、無理数的な美とか、銀河鉄道の夜の母性や父性、さらには男色性とか、ヨブ記やイエスの受難における見捨てのトリックとか…。なんとなく予感していたものがお二人の言葉ではっきりしました。ありがたや。
箱庭療法の実際を知ることができたのも面白かった。また、チベット密教での夢を消す修行なんていうのにも興味湧きましたね。「善悪を三枚におろす」なんていう言葉にも思わずニヤリ。
いずれにせよ、南方熊楠に関するところで出てきた「多次元脳」を持つか、いやそれを発揮できるかが一つの分岐点になるような気がしました。私たちの脳は多次元に設計されているのでしょう。たぶん多次元の方が正常で、我々が言語や科学などの力によって次元を削り落としているのだと思います。この次元(いわゆる現実社会)で生きていくためには当然それをしなければならないわけです。ああ、一度でいいから自分の脳ミソをフルに働かせてみたい。初期の設計通り。
な〜んて、もう実はフル回転だったりして。実際その回転もかなり鈍ってるしな…。
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