『日本・日本語・日本人』 大野晋・森本哲郎・鈴木孝夫 (新潮選書)
今週の金曜日の夜、私と家内にとって、とんでもないイベントが待っています。どんなにとんでもないかは、このブログの当日の記事に書こうと思っています。
今日は、その来るべきとんでもないイベントのために、以前読んだこの本を引っ張り出してきました。数年前に読んだ時も、実に楽しい思いをさせていただいたのですが、今こうしてその迫り来る大事件を目前にしてみますと、さらに興奮が高まります。
それにしても、昨日は「電車男」やら2ちゃんねるやらについて熱く語っておいて、今日は思いっきり保守になびく自分が実に面白おかしい。ん?2ちゃんの世界って結構保守か…。とにかく、保守も革新も、まあ面白くてパワフルならいいやという性格の私は、この本の超強力保守パワーに、身もだえするほどの共感を覚えるのであります。
なにしろ、このお三人さんですからね。いずれ劣らぬ論客でいらっしゃる。う〜む、はたして私ごときが太刀打ちできるか…。いやいや、それは金曜日の話ということで、とにかくこの本は痛快です。そう、痛いけれど快いんですね。
私もいちおう国語教師でありまして、自分のことを棚に上げて、若者たちの国語力の低下を憂えているものであります。また、言葉に限らず(こちらも自分のことを棚に上げさせていただきますが)、世界のアメリカ化に疑問を抱く一人であります。一方で、日本の古来の文化や伝統、あるいは日本人の心性や心意気のようなものに、ある意味誇りと期待を持ってもいます(でも結局棚上げ…)。そうした、どうにもやりきれない、切ない気持ちを、大正生まれのパワフルおじいさん(失礼!)たちが、「いまどきの日本・日本語・日本人は!」と恫喝して癒してくれるわけです。いまどきの日本人としては痛い、けれど快感。
いちおう相対的に若者の部類に属するであろう(つまり高度経済成長後の日本人である)私からすると、たしかにそれはちょっと古くさいとか、現実はねえとか、言いたくなる部分もありますが、ここに収められている対談とそれぞれの小論は、はっきり申して全くの正論ばかりです。時として正論こそが暴論に聞こえる(ん?最近そんなことがありましたなあ)。保守であることが、実は現代においては最も革新的である、というパラドックスが生じるわけでして、ある意味非常に過激な発言が繰り返されているわけです。うん、だからこそ癒されるんですけどね。
中でも鈴木孝夫大先生のお言葉(ほとんど言霊です)はものすごい。帯にいきなりこんな金言が…。
「日本がこのままアメリカについていって本当にいいのか。むしろ、世界の過度なアメリカ化の危険を指摘して、もっと日本化せよと言えるのではないか」
素晴らしすぎます。わが意を得たりですね。
ところで、この三巨人による対談、二十時間にも及んだと言いますが、本当にお酒入ってないんでしょうか。ものすごいノリの良さなんですけれど。そのへんについても金曜日に謹んで明らかにしてみたいと思います。
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