もみがら枕
枕って重要ですよね。ふとんよりも人生を左右しますよ。他の動物はたぶん枕使いませんよね。枕を使わないとしっかり眠れないというのは、おそらく人間の工学的な設計ミスだと思います。
人生の3分の1は睡眠であり、その睡眠の質が覚醒時の質に大きな影響を与えます。人は覚醒時の充実こそ人生の充実だと考えていますから、結局のところ、睡眠が充実しなければ人生全体が充実しないというわけです。そして、その睡眠の充実に枕の質は欠かせないものであると。そうすると、枕こそが人生の全てを決定するという結論に至るわけであります(ホントか?)。
私は、斜頚で生まれてきたそうで、今でも左を向くよりも右を向く方が苦手です(ヴァイオリンは左向きでよかった)。そんなこともあって、寝ていてもとにかく首が凝る。それで眠りも浅くなってしまうんですよ。そうすると、上述の通り、人生が充実しない。まあ、人生の充実せざるを枕のせいにするのもなんですけれど。
それでもなんとか人生の充実を目指していろんな枕を買ってみたわけです。右の写真はその一部。いろんな形や色があって面白いですね。これら三つはどれもいわゆる低反発素材系です。いまだにブームですよね。でも、全然ダメだったんですよ。逆に肩まで凝る。理論と現実はかなり違うんですね。
そんなぐあいで、もう諦めていたんです。生まれつきの欠陥もあることだし、これは仕方ないなと。
し、しかし!全く意外なところにベスト・ピローがあったんです。ピローというにはあまりにシンプルでトラディショナルなやつが!
私はだいたい、人の家に行ったり、ホテルなんかに泊まったりすると、もうホントに熟睡できなかったのですが、カミさんの秋田の実家に行くと、不思議とよく眠れるんですよ。で、このなんとも心地よい枕はなんなんだ?というわけで、聞いてみると、普通の枕だと言うわけですよね。その普通というのが、どう普通なのかと考察してみると、なるほどこういうことだったわけです。
カミさんの実家は米農家です。ですから、当然毎年大量のもみがらが発生します。その使い道はいろいろとあるようですが、その一つ、非常に地味な用途に、枕の中身にするというのがあるんだそうです。つまり、その枕は「もみがら枕」であったわけですね。上の写真です。
微妙な弾力、いや硬さが私の首には実に適している。硬いのですが、時間とともに体にフィットする形に変化している。低反発素材なんて、ただ軟らかいだけで、それこそ反発心がない。結局支えてやるという気概が感じられないんですよ。湿気を吸ってくれたりしないし。
そばがら枕っていうのも結構メジャーですけれど、全然こっちの方がいいですよ。頭皮に伝わる質感が違います。もみがらはもみがらでも、もみがら炭枕というのは、今ちょっとしたブームらしい。でも、なぜか素朴で伝統的な純粋もみがら枕は売っていません。不思議ですねえ。やっぱり、古来のものはいいですよぉ。
私が秋田からもらってきた上の写真の枕。たくさんある中から、あえてこれを選んできました。だって、デザインが最高なんだもん。見事なハギレのコラージュ。あまりに芸術的です。これは一生手放せません。
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