『光とともに』 戸部けいこ (秋田書店)
私もいちおう教育関係者でありながら、自閉症について、あまりにいいかげんな知識しか持っていなかったことを確認。とても恥ずかしい気持ちでいっぱいです。
昨年日本テレビでドラマ化されたこともあって、このコミックの存在を知る人も多いのではないでしょうか。私もなんとなくいつか読む機会はあるかな程度の認識はありましたけれど、いざ買って読むとなると、そこまでの意欲というか、意識の高まりはありませんでした。
そんな私であったのですが、今日ある生徒が第1巻を貸してくれまして、さっそく読んでみました。そして、認識を改めました。言葉として正しいかどうかわかりませんが、感動してしまいました。心が動かされたということです。
かなり評判がいいとのことですけれど、たしかにリアルに詳細に描かれていると思います。自閉症という障害(病気ではない)についての正しい知識、自閉症の子どもを持つ親の苦労、周囲の偏見と理解…。非常にわかりやすくコミック化してあるようです。テレビドラマは、そのメディアの性質上、いろいろと制約があり、今一つの出来だったらしい(私は見ていません)。
以前、問題行動や病気や障害の名づけの功罪について書いたことがありました。その時は、特に功罪の罪の方を力説したような記憶があります。つまり、いじめにせよ、ひきこもりにせよ、登校拒否にせよ、名づけという行為によって実在の「こと」になるという考え方です。今でもその姿勢は基本的に変えていませんが、実在の「こと」になるのが、いいことなのか悪いことなのかは、それぞれのケースによって一つ一つ考える必要がありそうです。
たとえば、「こと」化しない「もののけ」によって偏見の目にさらされていた多くの人々が、「自閉症」という言葉に救われただろうことは、想像に難くありません。言葉が作り上げた世界に安住するのはもちろんいけないことですが、こうして正しい言葉が間違った感情から人々を守ることもあるわけですから、判断は慎重にしなければいけないのです。家庭においても、社会においても。もちろん教育現場においては特に。
まだ、第1巻しか読んでいませんが、親として教育者として、そして何と言っても一人の人間として、ぜひ最後まで読んでみたいですね。自閉症のみならず、世のこうした問題にもっと目を開いて行かねばなりません。
ところで、ネーミングということでいえば、「自閉症」という言葉はどんなもんでしょう。「自閉」も「〜症」も問題ありだと思うのですけれど。専門家のご意見を聞きたいところです。
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コメント
前略 薀恥庵御亭主 様
えぇぇぇ・・・一番 最初から
御亭主様の「御文章」を再読いたして
おりました。
愚僧・・・
「自閉症」という立場の御子様と
その親御様方と接してまいりましたが
なかなか「大変な日常」だと思います。
しかし その日常のなかにも・・・
「しあわせ」は当然あります。
愚僧など・・・「妻」にも「子供」にも
感謝が全然足りません。
これでは「幸せ」にはなれません。笑
「当たり前の日常」に感謝できるためには
やはり「人の痛みを知る」ことが・・・
何よりも大切なことであります。
先ずは・・・「家族に感謝」できる人間に
「私」はならねばなりません。苦笑
合唱おじさん 拝
投稿: 合唱おじさん | 2009.11.20 00:03
合唱おじさん様、コメントありがとうございます。
人様のご苦労に関してあまり無邪気に発言できませんけれど、しかし、やはり「痛み」から得る特別な「幸せ」というものもあるのでしょうね。
悩みや苦しみなく「幸せ」に生活していて、それが当たり前になってしまうことが、最も「不幸せ」であるのかもしれません。
私も反省します。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.11.21 16:46