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2005.09.14

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』 山田真哉 (光文社新書)

4334032915 借りて読んでみました。今日はたまたま古文の授業中、「た〜けや〜、さおだけ〜」という声が聞こえてきまして、生徒にこの本の話をしたんです。私も皆様と同様、「さおだけ屋」については不思議に思っておりましたから、それなりの答えが得られ、その点に関しては私も生徒も満足でしたね。
 この本のうまいところは、そのタイトルにつきるでしょう。いつかも書きましたけれど、潜在意識の中の共通感情の掘り出しこそが、人の興味をそそるわけですから。ただ、あとがきで告白していますとおり、このタイトルはご自身が一人で決められたわけではない。不特定多数のアイデアの集積ということのようです。商品名を決定するという感覚でしょうかね。それがビジネス的な成功を招いた。
 さおだけ屋の話は最初だけでしたが、私は会計学を本当に知りませんでしたし、数字にも弱い典型的なタイプですので、全編通してかなり興味深く読むことができました。そして分かったことは、私はやっぱり会計的なセンスがない、ということです。どんぶり勘定の権化みたいな人間ですから。私の会計学は「損したことを気にすると精神衛生上よくないので、損したことに気づかないようにする。逆に得したことは必要以上に強調して自分を盛り上げる」ですからね(笑)。
 こういうタイプの入門本は、私のような完全なる門外漢にとっては、非常に有用な「いい本」になりえます。しかし、その道の方から見ると、それこそ「ダメ本」になってしまう。これは仕方のないことです。私も自分の専門分野には厳しいですからね。そうしたマイナスの評価なんていうものは、私なら無視、あるいは気づかないようにするわけですが、きっと筆者なら、それは予想された損失であり、まあ全体として利益が上がればいいと考えるでしょう。
 それにしても、この会計学の本も、他の分野の本と同様に、人生を象徴しているところが多々ありましたね。「ゴーイング・コンサーン」が人の生涯の究極テーマであるのはもちろんです。また、お金を「価値」と読みかえれば、「チャンス・ゲイン」や「チャンス・ロス」、「ローリスク・ハイリターン」やら「フリー・キャッシュ・フロー」なんて言葉も重みを持って迫ってきます。ということは、私のは「どんぶり勘定人生」か…。資金繰りがショートしないようにしなくちゃ、ですね。
 ところで、この本で関心したのは、筆者の文章です。さすが、文学部出身ですし、塾の現代文の講師だった方です。特に名文というわけではありませんけれど、そつなくリズム良く、読んでいて疲れない文体でした。ひと言で言えば、押し付けでない相手を思いやる文体ですね。
 あ、そうそう、今日のニュースでやってましたね、カネボウの粉飾決算の件。山田さん、例の大手会計事務所にお勤めされていたんですね。おやめになって正解だったかも。

Amazon さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

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みなさんはもう「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を読まれましたか? 私もタイトルは随分前から書店で見かけて気になっていたのですが、なかなか手に取るまでには至りませんでした。正直なところ、あまりにも「キャッチィなコピー」に読んでやるものか!とへそ曲がりな...... [続きを読む]

受信: 2005.09.14 22:41

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