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2005.09.15

アストル・ピアソラ 『ライブ1984』

B00005ELL1 ピアソラ中心のコンサートが迫ってまいりました。あっ!あさってか。さすがにちょっと練習しなくちゃな。ただ、こういう音楽は練習が全てではありません。本番でのノリというか熱気というか、そういうものが非常に大切です。
 そこで、気合いを入れる(って気合いで乗り切る気なのか?)ために、借りてきたこのDVDを観ました。いやあ〜、こういうの観てしまうと、やはり音楽はライヴだ!と言いたくなる。音楽はいつから聴くものになってしまったのでしょう。こうして観ながら聴くという行為の方がずっと自然なんですよね。
 もちろん、これだって所詮は録画です。だから、本当のライヴではない。観て聴くだけでなく、本当のライヴ会場には、空気を感じる、あるいは熱を感じるという要素もありますよね。あるいは、踊る、囃すという要素も。スポーツでも同じことが言えますし、演劇でも、講演でも、なんでもかんでも生が一番。その空間と時間を共有して初めて、体験と言えると思います。
 しかし、こうした準体験もそれなりに感動できるものです。音楽が聴くだけのものになってしまったのも、また逆にこうしてヴァーチャル体験ができるようになったのも、両方とも新しいメディアのおかげです。特にデジタル技術。そうしたリアルでない、ある意味それを超えた体験とのつきあい方については、常に考えていなければなりません。こうしたことは、誰も教えてくれませんからね。
 それにしても、このライヴはいったい何なんでしょう。準体験にしてこの鳥肌ですからね。これは、1984年のモントリオール・ジャズ・フェスティバルでの歴史的名演奏です。私は、動くピアソラをほとんど初めて観ましたが、このおじさん、というかおじいさん、異常ですよ。バンドネオンと一体化してしまっている。この楽器が、これほど肉体的なものだったとは…。ピアソラがバンドネオンを弾いているというよりも、バンドネオンという生物がピアソラに寄生して、ピアソラを操っている。こ、こわい…。
 その他のメンバーも、そんなバンドネオンの物の怪に取り憑かれて、思わず演奏させられている。その普通でない波動が画面からも伝わってくるんですよ。そして、こちらもいつの間にか、その気にのまれ、一緒に呼吸している。う〜む、アンサンブルの本質だあ。
 ピアノもギターもヴァイオリンもみんなすごいけれど、やっぱりコントラバスのおっちゃんですな。なんだ?このボウイング!ありえない。
 正直、降参です。気合いを入れるつもりが…いや気は注入されたんですけど、それをどうアウトプットしていいか分からない。こんな御本人によるすさまじいパフォーマンスを見せつけられちゃうと、もうひれ伏すしかないじゃないですかあ。やばい、演奏できない。
 知らぬが仏とはよく言ったものだ…。知っちゃったらいきなり塵になっちゃいますよ〜。

Amazon ライブ1984

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