アストル・ピアソラ五重奏団 『レジーナ劇場のアストル・ピアソラ1970』
Astor Piazzolla y Quinteto 『Piazzolla en Regina』
今月17日に(ってもうすぐじゃん!)約1年ぶりにピアソラ中心のコンサートをやることになりました。クラシック系の音楽家の新しいレパートリーとして、すっかり定着した感のあるピアソラ。しかし、チェンバロとヴァイオリンという組み合わせはそれほど実現していないのではないでしょうか。
今回は昨年弾いた定番「リベルタンゴ」と「天使のミロンガ」に加え、名曲として知られる「ブエノスアイレスの四季」を演奏する予定です。ちなみに「リベルタンゴ」は今回始めたばかりのチェロで弾いちゃおうかな(って大胆なんだから)!
で、実は「四季」はちゃんと「四季」として認識して聴いたことがなかったのでありまして、まずはいきなり楽譜を頂戴して弾いてみたものの、やはりしっかりとしたイメージ作りをしておかないとお客様にも楽曲にも失礼なので、急いでCDを注文しました。
当然、ピアソラ本人の演奏がいいですよね。それで結局このライヴ盤を購入しました。聴いてみまして、とにかく感心、感動。カッコいいっすね。オシャレでエキサイティング。天才音楽家としかいいようがないですな。
ピアソラの楽曲は、やはり伝統的なタンゴの語法と言うより、クラシックの語法に近い。特にバロック音楽の影響が色濃く感じられます。楽譜づらがもうすでにバロックしてますし。また、楽譜と実際の演奏との関係においても、バロックに非常に近い。だから私たちバロック畑で経験を積んでいるものにとっては、けっこうとっつきやすいのです。しかし、実際やってみると、これがねえ…。
ある程度形にはなるんですよ。それは楽曲が本当にしっかりしているから。バッハなんかもそうですが、まあ楽譜通り弾いてもなんとか聴ける音楽にはなる。しかし、そこからが難しいんですよ。
今回はバッハとコレルリも演奏します。コレルリのヴァイオリン・ソナタも、非常にシンプルにしかし完璧に作られています。そして楽譜通り弾くことは許されない。あ〜、難しい。時間もないしなあ。とにかく頑張るしかありません。
そんな感じですので、このCDをよく聴きこんで、ピアソラやアグリの演奏から多くを学びたいと思っております。なんて、ホントはアイデアを拝借するのでした(笑)。
ところで、ふだんはバロック・ヴァイオリンを弾く機会の多いワタクシでありますが、このピアソラに出会ってから、モダン楽器もいいもんだなあ、と思うようになりました。特にピアソラを弾くと、自分の中の何かが解放される感じがします。自分でもビックリなのですが、泣きのヴァイオリンというのが意外に得意なようなのです。もともとモダン楽器から入った人間ではありませんので、いわゆる語るような弓遣いというのが、純正のクラシックではない、つまりちょっと生活臭のする俗っぽい音楽に向いているのかもしれません。
この前のブルーグラス(カントリー)もそうですけれど、とにかく、この歳になって新しい演奏領域ができたこと、本当にうれしく思います。ありがたや、ありがたや。やっぱり縁は大切です。
Amazon レジーナ劇場のアストル・ピアソラ1970
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