ラーメンズ 第11回定期公演「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」
他校の出身者でありながら、頻繁にウチの学校に顔を出してくれる現役東大生くんおススメのビデオ。笑う以前に感激しちゃいました。
ラーメンズはオンエアバトルで観て、こりゃすげえなあと思っていましたが、こうしてライヴを観ると、こりゃお笑いじゃない、芸術だあ!になっちゃいますよ。
これは冷静に考えて、ジャンル的には演劇でしょう。しっかりとした脚本と完璧な演技。二人芝居ですね。脚本もお笑いのホンとは一線を画している。お笑い的なたたみかけは少なめ。よくセリフを聞き、全体のストーリーを把握していなければ、結果として笑えない。観客に演劇的緊張を強いる芸風です。
実際、小林さんは戯曲集と称した台本集を発刊していますし、彼は日本劇作家協会員だそうです。知らんかった。
一つ一つのコント、いやお芝居が、実に色々な味わいを持ち、しかし全体としては有機的にリンクしている。ライヴを観たわけではないので、本質的な体験ではありませんが、編集された録画からも作り手側の高い意識が感じ取れましたね。いやはや、すごい作家さんがいるもんだ。
片桐仁と小林賢太郎という美大出身のお二人さん。そう、美大出身というところがミソなのかもしれませんね。このビデオのジャケットもキレイですが、彼ら自身や彼らの生み出す世界はどこか美意識を感じさせます。お二人とも彫刻科のご出身とか。切り込みの鋭いブラックジョークや異常なほどの創りこみ方は、シャレではなくさすがです。そして、彼ら自身の見事なコントラスト。それを強調したり、あえて薄めたり、そのあたりの演出はお見事。
それにしても、どの程度稽古してるんでしょうね。いちおう、趣味程度でコントやお芝居をやったことのあるワタクシとしましては、もう、あの脚本を作り、それを完璧に覚える作業だけでも信じられません。どの芸人さんの芸も、厳しい稽古が基本にあるのは分かっていますが、ラーメンズのアドリブを拒否するかのような完璧主義には、本当に緊張します。しかし、その緊張と笑いのバランスが独特なんですね。笑いは弛緩の代表のような存在ですが、そこに緊張が侵食している感じなんですよ。それが彼らの個性であり、芸術性の原点のような気がします。
お笑いとしては、決して私の好みとは言えませんが、演劇としては非常に好きなタイプですね。ちょっとお客さんを選ぶかもしれません。そうですねえ、イッセー尾形に近いですかねえ。
テレビにほとんど出ず、舞台で勝負するというのは大正解でしょう。これからの彼らの深まりに期待します。独自の道を突っ走って下さい。いつかライヴ行きたいと思います。
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