« 『三菱自動車“リコール隠し”の真実』 ドキュメント'04 スペシャル(日本テレビ) | トップページ | 『力としての現代思想 崇高から不気味なものへ』 宇波彰 (論創社) »

2005.08.10

ビオンディ&エウロパ・ガランテ 『バッハ協奏曲集』〜復元ヴァイオリン協奏曲ニ短調

Biondi Europa Galante 『Bach Concertos』
B000026D4Q iTMSでコンビニ買い第2弾。TSUTAYAで借りられるものを除くと、結局クラシックかジャズあたりになりますね。
 実は聴きたかったのは「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」だけだったのですが、これはアルバムのみの販売ということでしたので、まあしかたなく1500円払いました。CDにするには少し時間の余裕がありましたから、ついでに450円払って、なぜかウチになかった「二つのヴァイオリンの為の協奏曲」の古楽器演奏版(ピノック)を追加しました。今度ソロをやることになっちゃったので少し勉強しましょう、ということ。あまりに有名な曲なので逆にイメージがしにくいのです。で、1950円か。まあ、こういう買い方ができるのがいいところですかね。結局散財してるような…。
 でも、目的の「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」つまりチェンバロ協奏曲BWV1052の復元版はたいへん素晴らしい出来でして、大満足。ビオンディやるなあ!
 実は私はこの曲が昔から大好きでして、特にヴァイオリン協奏曲に復元したものを聴くと燃えちゃうんですよ。弾くのは無理ですけど(メッチャ難曲)。で、どういうノリで聴くかというと、つまりロックです。バロックじゃなくて。ハードプログレというかプログレハードというか。そういう意味で、ビオンディの演奏は本当に見事でした。
 高校時代(四半世紀前)のある日突然、この曲のそういった魅力に気づきました。正直それまでは、なんか暗いし、長いし、いかんなあ、という感じだったんですよ。ところが、本当にある日突然、これはバロックじゃないな、と気づいた瞬間から曲のイメージが全く変わってしまいました。
 この曲の原曲がヴァイオリン協奏曲であることは間違いないでしょう。原曲の作曲者がバッハではないのでは、という説もあるようですが、いったいバッハ以外の誰が、こんなに緻密な、そして当時の常識から外れたプログレッシヴな曲を作ると言うのでしょうか。絶対にバッハです。1楽章や2楽章のテーマだけでもおかしすぎる。もちろん曲全体通して破格な展開や進行に満ちていますが、私としてはやはりバス(ロックだからベースかな)ラインの持つ、なんというか決して言葉数は多くないのだけれど雄弁さとでも言うのでしょうか、何か宗教性すら帯びているような気がするのです。マタイ受難曲と前後して作られたという説にも説得力がありますよね。 
 あとは、ヴィオラの扱いです。これはまさに破格です。私は、今まで3回ステージで弾いたことがあります(チェンバロ協奏曲として)けれども、突然ヴィオラのソロになったりしてびっくりします。だいたいバッハのヴィオラパートは面白いのですが、この曲は面白いを超えて恐い。演奏にいつも以上の緊張感を強いられますね。
 さて、そんなわけで、私は昔からこの曲が好きで好きでたまらないわけでして、復元版のレコードもずいぶん集めました。リリンクのが最初だったかな。なんかソビエトの団体のとか。カプリッチョから出てたオルガン版も良かったなあ。最近ではリフキンの復元も面白かった。でも、このビオンディ版が決定版でしょう。1楽章、3楽章のロックなノリも最高ですが、2楽章の瞑想的な演奏もお見事!ヴァイオリンってこういう荒っぽく艶っぽい楽器なんですよね。燃えるぜ!
 なんか、ヘビメタにも通ずるような、なんていうかなあ、宗教的な怒り、そして嘆息…そんな雰囲気すら感じられますよ。一聴の価値ありかと。

Amazon Bach Concertos

不二草紙に戻る

|

« 『三菱自動車“リコール隠し”の真実』 ドキュメント'04 スペシャル(日本テレビ) | トップページ | 『力としての現代思想 崇高から不気味なものへ』 宇波彰 (論創社) »

音楽」カテゴリの記事

コメント

最近面白い話題が続いていて、コメントしたいなと思いつつ日が過ぎてしまいました。まずバッハのニ短調、私も好きです。確かにこれはプログレと言ってよいでしょう。今度聴かせてください。
それと、網野義彦さんのこと、随分前にNHKの人間大学で中世の「みかた」について講義されているのを見ていまして、とても感銘を受けたのを覚えています。
こういう人を排斥するアカデミズムって一体何程のもんなんでしょうね(激)。
すでにお読みかもしれませんが、網野先生と同じ方向性と言える方二人の著書を紹介します。高取正男「日本的思考の原型」(平凡社ライブラリー)、西和夫「海・建築・日本人」(NHKブックス)。

投稿: よこよこ | 2005.08.10 20:31

よこよこさんおはようございます。
ビオンディのニ短調はいいっすよ。ほかの曲もなかなかですけれど、ずばぬけてカッコいい演奏です!
あの曲はチェンバロでももちろんいいんですけど、やっぱり…
エレキギターでやってほしいっす。ドラムも入れたいな。
あるいは、ディストーションかけてエレキチェンバロとか(笑)。
網野さんのことについては、本当に哀しいかぎりです。
日本のアカデミズムって本当のアカデミズムじゃないですよ!いけませんね。
歴史学会のみならず、いろんなところで見かけますね。いやだいやだ。
西和夫さんは読んだことないので、探してみます。では。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2005.08.11 07:53

蘊恥庵庵主さん、はじめまして。
ミドリ・ザイラー&ベルリン古楽アカデミーの演奏は聴きましたでしょうか?
まさにプログレハード。原曲も含めて数ある1052の演奏の中で一番激しくカッコいい演奏だと思います。
ビオンディもザイラーに比べれば(テクニックは笑っちゃうくらい凄いけど)軽く聴こえますよ。ビオンディがELPやイエスならザイラーはクリムゾンですな。ひたすら暗く押しまくります。是非聴いてみてください!

投稿: たむたむ | 2011.01.10 22:34

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55913/5380274

この記事へのトラックバック一覧です: ビオンディ&エウロパ・ガランテ 『バッハ協奏曲集』〜復元ヴァイオリン協奏曲ニ短調:

« 『三菱自動車“リコール隠し”の真実』 ドキュメント'04 スペシャル(日本テレビ) | トップページ | 『力としての現代思想 崇高から不気味なものへ』 宇波彰 (論創社) »