終戦記念日〜プロレスリングノア 湯沢市皆瀬大会『みちのくメルヘン物語』
今日は終戦記念日。記念日でいいのかな。いいのか。終戦はいいことだから。昨日の記事の続きでちょっと聞きかじったことをまず書いておきます。終戦記念日にちなんだ話題です。
戦時中、男鹿半島に(どういう状況かはわかりませんが)パラシュートかなんかでアメリカ兵が落ちてきた(?)ことがあり、その時、男鹿の人々は、敵兵とは言え、同じ人間ではないかということで、丁重に扱ったらしい。それで、戦争が終わった後も、その兵隊と男鹿の人々との温かい交流が続いている、と。
これだけでも充分美談なわけですけれど、私は父から聞いた、ある意味対照的な話を思い出してしまい、戦争の現実をも突きつけられたような気がしました。その父の話とはこういうことです。静岡の大空襲の時、父は幼い妹たちの手を引きながら、B29から降ってくる焼夷弾から逃げ惑っていました。その時上空で、そのB29どうしが接触して、2機とも墜落したのだそうです。そして、乗務員がやはりパラシュートで近くに降りてきた。それを周囲にいた人たちが一斉に寄ってたかって、なぶり殺したらしい。
う〜ん、考えてしまいますね。どちらが正しいとか、そういう問題ではありません。静岡の場合は、実際、攻撃を受けているわけです。道々に死体が累々と重なっているわけです。親族を殺された人たちもたくさんいるわけです。私もそういう立場だったらやはりそうしたでしょう。逆に男鹿の人々のように、直接攻撃を受けていたわけではない(と思います)なら、やはり男鹿の人々のようにしたでしょう。難しいですね。そういうふうに人間を豹変させるのが戦争なのです。
さて、そんな重い話の後でなんですが、同じ戦いでも、全く殺伐としていない、逆に福を招くとも言えるプロレスのお話に移りましょう。
昨年も行きましたが、今年もまた行って参りました!皆瀬村は湯沢市と合併したということで、開催するのか微妙だなあ、と心配していた恒例奉納プロレス「みちのくメルヘン物語」。今年もやりました!めでたい!昨年は、後半豪雨に襲われて、セミとメインを見られないというちょっと残念なことになっちゃったんですが、今年はしっかり最後まで観戦しましたよ。いやあ、良かったなあ。毎年この日にやるというのは、やはり平和祈願の意味もあるでしょうね。まさに奉納にふさわしいお祭りプロレスでした。内容については、書きだすと止まらなくなるので、別の観点から。
これも昨日の記事の続きになりますが、形式美、様式美、演劇性ということです。宗教的というか、呪術的というか、とにかく昨日のなまはげに対するような、モノと人間との交流のあり方ですね。本来、相撲が担っていた祭り、奉納、清めなどの儀式を、今プロレスが引き継いでいると感じたのです。大相撲は、八百長論なんていうバカな(ニーチェみたいに野暮な)ことを言う近代人のために、ガチンコに走り、現在の衰退を招きました。プロレスでも、某団体は同じ轍を踏みつつあります。
その点、ノアは見事に伝統を継承しています。この前の東京ドームみたいな荘厳な儀式も、今日のような世俗的な儀式も、両方とも見事にこなす。本当にプロだと思いました。いろいろなレベルでハレを演出できる。これは本当に素晴らしいことです。
リアルだけを求めるのではなく、こういう演劇性に身をゆだねる姿勢というものが、実は平和の実現につながるのではないでしょう。そんなことをしみじみと感じて帰ってきました。
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