さすが荒川修作!(ようこそ先輩じゃない人)
荒川さんの「課外授業ようこそ先輩」、面白かったんですよ。私は5月1日の再放送で見ました。このコーナーでおススメしようと思ったんですが、なにしろ、その前の番組が「わくわく授業〜大村はま」でしたし、その後、上野にラ・トゥール展を観に行ったので、残念ながら書けませんでした。それが、こういう形で登場願えるとは!
何が起きたかというと、こういうことです。さすがですね。常識にこだわらない。別に母校を間違えてもいいじゃないか。さらに荒川さんのコメントが泣かせます。
「確かに私の勘違いだったが、このような勘違いを批判する日本社会の性質はおかしい。NHKには本当に感謝している」
これですよね。微笑んでもいいけど、目くじら立てるのは無粋です。
荒川さんの建築は常識破り。しかし、それがハチャメチャというわけではなく、何か納得させられる部分もある。例えば、高齢者が住む住宅は段差だらけ。それによって、身体性が保たれる。いわばバリアフル住宅です。え〜?と思う反面、なるほど〜とも感じます。人間に優しく、ばかりでは人間がダメになる。
元々建築家ではなく、美術家としてスタートしたというのが彼のパワーの源。おそらく彼は人間よりも自然寄りの芸術家なのでしょう。自然は人間のために気を遣ってくれません。そうした自然の中で生きる力こそが、人として必要な力だと考えているのではないでしょうか。
それを子どもたちに経験させ、体で教え込んだ素晴らしい授業でした。あの「養老天命反転地」、行ってみたいですね。ウチの学校もせっかく岐阜の禅寺へ研修に行くのですから、プログラムに入れてもらえませんかね。あそこの最終目標は、「死」へと向かう人間の宿命を反転させることだそうです。とらわれない発想という意味では「禅味」も充分あると思いますし。
まあ、そんな荒川さんですから、生き方自体もとらわれていない。今回の母校勘違い事件も、たぶんちっとも事件ではなく、まあせいぜい段差(自然のデコボコ)程度のことなんでしょう。それによって、新しい縁も生じたわけですし、別にいいではないか、と。
私も荒川さんの発言に同意します。チェックを怠ったNHKに感謝します。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 日向灘M7.1発生〜南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)(2024.08.08)
- オリンピックは◯◯の◯◯である!?(2024.08.07)
- 柔道混合団体銀メダル(2024.08.03)
- 祝! 舟久保遥香 銅メダル(2024.07.29)
- 『今永昇太のピッチングバイブル』 (ベースボール・マガジン社)(2024.07.17)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 武内英樹 監督作品(2024.08.16)
- 『大鹿村騒動記』 阪本順治 監督作品(2024.08.11)
- 凪良ゆう 『流浪の月』(Audible)(2024.06.25)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 全日本プロレス祭 アリーナ立川立飛大会(2024.08.17)
- 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 武内英樹 監督作品(2024.08.16)
- ラモー 『優雅なインドの国々より未開人の踊り』(2024.08.12)
「教育」カテゴリの記事
- 【戸塚宏】令和の今、体罰を語る(2024.08.20)
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 柔道混合団体銀メダル(2024.08.03)
- 祝! 舟久保遥香 銅メダル(2024.07.29)
- 仏様の指(2024.07.26)
コメント