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2005.06.09

さすが荒川修作!(ようこそ先輩じゃない人)

gjh 荒川さんの「課外授業ようこそ先輩」、面白かったんですよ。私は5月1日の再放送で見ました。このコーナーでおススメしようと思ったんですが、なにしろ、その前の番組が「わくわく授業〜大村はま」でしたし、その後、上野にラ・トゥール展を観に行ったので、残念ながら書けませんでした。それが、こういう形で登場願えるとは!
 何が起きたかというと、こういうことです。さすがですね。常識にこだわらない。別に母校を間違えてもいいじゃないか。さらに荒川さんのコメントが泣かせます。
 「確かに私の勘違いだったが、このような勘違いを批判する日本社会の性質はおかしい。NHKには本当に感謝している」
 これですよね。微笑んでもいいけど、目くじら立てるのは無粋です。
 荒川さんの建築は常識破り。しかし、それがハチャメチャというわけではなく、何か納得させられる部分もある。例えば、高齢者が住む住宅は段差だらけ。それによって、身体性が保たれる。いわばバリアフル住宅です。え〜?と思う反面、なるほど〜とも感じます。人間に優しく、ばかりでは人間がダメになる。
 元々建築家ではなく、美術家としてスタートしたというのが彼のパワーの源。おそらく彼は人間よりも自然寄りの芸術家なのでしょう。自然は人間のために気を遣ってくれません。そうした自然の中で生きる力こそが、人として必要な力だと考えているのではないでしょうか。
 それを子どもたちに経験させ、体で教え込んだ素晴らしい授業でした。あの「養老天命反転地」、行ってみたいですね。ウチの学校もせっかく岐阜の禅寺へ研修に行くのですから、プログラムに入れてもらえませんかね。あそこの最終目標は、「死」へと向かう人間の宿命を反転させることだそうです。とらわれない発想という意味では「禅味」も充分あると思いますし。
 まあ、そんな荒川さんですから、生き方自体もとらわれていない。今回の母校勘違い事件も、たぶんちっとも事件ではなく、まあせいぜい段差(自然のデコボコ)程度のことなんでしょう。それによって、新しい縁も生じたわけですし、別にいいではないか、と。
 私も荒川さんの発言に同意します。チェックを怠ったNHKに感謝します。

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