Def Tech 『Def Tech』
先にいいことを書いておきます。予想外に楽しめました。けっこういいですよ。
ずいぶん人気ありますねえ。これから夏を迎えるにあたって、ますます巷に彼らの音楽が流れることでしょう。
生徒が貸してくれたのですが、まあMy Wayだけは知っていました。この曲についてはノーコメント。はっきり言って、またこれか、という感じでした。わかる人にはわかると思います。つまり、ベースラインが「ドシラソ」です。まあ、いいや。日本人はコテコテが好きだから。バッハもビートルズもたくさんやってるし。ただ、メロディに対するプライドがないのが多すぎるんですよね、ここのところのJ−POP。あっそうそう、そんな中、Salyu(小林武史)の「彗星」は久々に良かった。
というわけでDef Tech、全体としてもあんまり期待していなかったんです。単なるhip-hopだと思ってましたから。そしたら、ちょっと違うじゃないですか。iTunesではジャンルreggaeになってるし。
メンバーの一人Shenは中国生まれのハワイ育ち。もう一人のMicroは純日本人のサーファー。そんな彼らの音楽は予想以上にクロスオーバーでした。彼らは自分たちの音楽を“JAWAIIAN REGGEA”と読んでいます。つまり日本とハワイとジャマイカ。それにhip-hopですからアメリカもミックスですか。こう聞くと、なんとなくキワモノっていう感じでしょう。でも、実際聴いてみると、意外に自然なんです。聞こえてくる音楽が自然というよりも、彼らの姿勢が自然なのでしょう。ミックスして新しい音楽を作ろう!なんて力んでいません。好きな音楽をやってみたらこうなりました、みたいな感じ。
もちろん私のようなオジサンが聴き込むような音楽ではありませんけれど、まあ、夏場のBGMとしてはけっこう上等ではないでしょうか。もともとそういう雰囲気音楽でありましょうし。
歌詞も見てみました。見たんですよ。聴いても聴きとれないので。7割英語3割日本語でした。これが功を奏しているのではないでしょうか。いつかも書いたように、開音節の日本語はラップになりにくい。単なるマシンガンになってしまうのです。その点、もちろん英語は音符のリズムにきれいに乗ります。だから変化も表現しやすい。ちなみに歌詞の内容は、とってもワールドワイドな愛と平和という感じでして、オトナの私にはちょいとこそばゆいものがありましたけれど、若者がこういうことをあっけらかんと歌うということ自体は悪いことではないと思いました。
いずれにせよ、ふだんあまり聴かないタイプの音楽でしたので、妙に新鮮な感じがしましたね。彼らのように自然体で、今までの音楽のカテゴリーを乗り越えていくミュージシャンが勝ち組になるのでしょう。そのためにはやはりコマーシャリズムに呑み込まれないことです。難しいことですけどね。
最後に、1500円は安い!というか適正価格だ!下のオフィシャルで試聴してみてください。1500円の価値は十分あると思いますよ。
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