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2005.05.03

国際共同制作 サイエンス・ドラマ『スーパーボルケーノ』

9901 静岡の実家に帰ってきました。市内でヘリコプターが墜落してビックリ。事故や事件が多いですねえ。
 こうしたいわば人災というのも恐ろしいものですけれど、天災も忘れたころにやってくる、ということを忘れてはいけません。
 今日ハイビジョンで放送された『スーパーボルケーノ』は、富士山に住む私たち家族にとっては、全く人ごととは言えない内容でして、たいへん興味深く見ることができました。
 この『スーパーボルケーノ』、超巨大な火山のカルデラであるイエローストーンが、数十万年ぶりに噴火したら、どのような被害が生じるのかを、CGや実際の火山災害の映像をまじえながらドラマ化したものです。
 このドラマ、国際共同制作となっていますが、具体的にはNHKとBBCによる作品。つまり日本と英国の公営放送局が、米国を舞台に災害ドラマを作ったということです。これは冷静に考えると面白いことですね。アメリカと言えば、文明の象徴のような国です。それが、自然の猛威の前には全くの無力になる。それを、米国と因縁の深い日英両国が描いているわけです。
 アメリカ人はパニック映画大好きですよね。それらでは、ヒーローが愛する人のために命をかけて自然と戦ったりして、結局アメリカは愛と勇気で立ち直っちゃったりします。このドラマでも、いちおう主人公の研究機関所長は助かりますが、それは愛と勇気の力ではなく、特殊な立場だからこそ知りえる知識と情報があったからです。全然かっこよくない。住民には避難の必要なしと言っておきながら、家族をちゃっかりロンドンに逃がしちゃうし。ははは、リアルですよね。そのあたりが、結果としてハリウッド映画に対する風刺になっており、私は不思議と溜飲を下げることができました。「ボルケーノ」ひどすぎたからなあ。上質なギャグ映画にはなってましたけど。
 このドラマは最新の科学的研究にのっとったものでしたから、なかなかリアルで説得力がありましたよ。ドラマ終了後の解説番組も効果的でした。アメリカの学者たちは、このようなドラマを作って、うかれたアメリカ人たちが天災を忘れないように戒めたいに違いありません。しかし、本国の放送局では無理でしょう。不滅のアメリカ幻想が崩れちゃいますから。それを盟友国が作ってあげたわけですよね。面白いことです。もちろん、イエローストーン級の噴火は、全世界に壊滅的な被害をもたらすわけですから、「対岸の火事」を描いたものとは言いきれませんが。
 だいたいが、私たち一家にとっては、これはまさにお隣の火事ですからねえ。うちでもいつ火事が起きるか分かりません。いちおう、裏情報網は作ってありますけど、最後は自分の判断で避難するつもりです。もし、このブログの更新が予告なく止まったら、あいつ逃げたな、と思って下さい(笑)。
 ところで、巨大噴火が起きれば、全世界の気温は一気に15度近く下がるということ。人間の力による温暖化を人間が大騒ぎしてるというのも、なんとも滑稽なものですな。

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コメント

はじめてコメント欄に記入させていただきます。こちら東京都港区在住の角田と申します。
NHK BSで先日、放映されました「スーパーボルケーノ」、大変すばらしい内容でした。実は前編のみDVDレコーダーに収録していたのですが、後編の収録に失敗してしまいました。もし、貴殿のお手元に「スーパーボルケーノ 後編」のDVDデータが残っていらっしゃいましたら、ダビングしていただけないでしょうか?生ディスク等は当方で用意いたします。どうかご検討頂ければ幸甚に存じます。

投稿: 角田尚 | 2008.08.27 02:20

角田様、コメントありがとうございます。
非常に残念ながら、この番組は録画しておりませんでした。
ご期待にそえず申し訳ありません。
記事の末尾に載せましたように、DVDとして発売されているようですので、そちらを購入されてはいかがでしょう。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.08.27 06:59

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