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2005.04.11

『花の大江戸風俗案内』 菊地ひと美 (ちくま文庫)

4480037764 先日、吉原関係者の方にリンクしていただいたのをきっかけに、学生時代勉強した江戸の風俗を復習しようかな、という気になりまして(単純なワタクシ)、この本を買ってみました。いや、カミさんも大いに興味を持っていたので、買ってやったとも言えますかな。
 そんなわけで、かなり忘れてしまっていたワタクシも含め、初心者にはとっても分かりやすい素晴らしい本でした。
 著者の菊地さん、本職はイラストレーターということですが、そのイラストのみならず文章の方も、なかなかお上手です。内容的には目新しいものは見出せませんが、とってもうまくまとまっている感じです。
 それにしても、やっぱり江戸の文化って、おたくですね。萌えてるんですよ。いろんなところに。
 吉原というと、性的なコミュニケーションの場というイメージが強いと思いますが、それは実は究極の目的ではなく、それへのプロセスやシステムを楽しむ場であるとも言えますよね。人間自体、つまり人格に対する好意や、本能的な欲望ではなく、フェティッシュな嗜好が顕著なのです。遊女に対する意識も、実はある一定以上の距離を保持している。もちろん、歌舞伎役者に対する気持ちもいっしょです。
 どなたかが、「萌え」と「韓流」の類似性を指摘していました。なるほど、どちらも実体に対する直接的な感情ではない。属性としてのイメージ、そして物に対する愛情。また、そんな自分への愛情。ある意味、とても消極的な愛情なのです。命がけではない。にこにこ、にやにやしてるんですね。
 消極的であることは、安全であることをも意味します。その安全の中には、果てることない快楽、享楽があるのです。実体的な満足は、虚無感しか生まない。だから、寸止めする。快感は持続する。
 心中や駆け落ちになるのは、本来の道をはずれた結果です。おたくの世界でも、萌え道(?)を踏み誤って、ニュースに出てしまう人がいますよね。たまに。
 こんなふうに考えていくと、自分にもそういう部分が多々あることが分かりますし、日本文化の基底にも脈々とそうした感情が流れ続けている、ということに気づきます。面白いですね。

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