エイプリル・フールの起源(新説)
今日はエイプリル・フール。きっと世界中の新聞やネット上では、楽しいウソが大量生産されていることでしょう。何年か前の東京新聞、「きんさん、ぎんさん、どうさん」はなかなかセンスの良いウソでした。日本人ってそういうシャレが意外に下手ですよね。
「嘘つきは泥棒の始まり」なんていう言葉を、幼少より耳にタコができるほど聞かされている我々人類は、それでも一方では「ウソも方便」と嘯きつつ、自らの人生をウソで彩り、ウソで固め、ウソで演出して生きています。
まあ、世の中事実ばかりでは、あまりに残酷です。小説もドラマもプロレスもダメなんて、そんなの地獄の沙汰ですよ。
で、なぜこんな日が生まれたのか。
キリスト教にまつわる説もいくつかありますが、イエスの命日とするのは明らかに間違いですし、ユダの裏切りを忘れないためにその日だけウソをついてもいいなんていうのも、どう考えても冗談。
仏教徒が春分の日から7日間修行しても、4月1日にはまた俗世間に溺れるので、その日を「揶揄節」と呼んだ、というのも変ですねえ。だいたい「揶揄節」っていうものがあるんでしょうか。シャカ暦は春分の日あたりを元日としますから、一週間たったら1月7日ですかねえ。それがヨーロッパに伝わって4月1日になるというのは考えにくいですな。
つまり、そういった巷間でまことしやかに語られている起源自体、ウソっぽいわけです。面白いですね。
だいたい、クレタ人のパラドックスじゃないけれど、「今日は1年に1回だけウソをついていい日ですから、今からウソをつきます」という宣言自体がウソだとしたら、え〜と、どうなるんだ?ん?あ〜めんどくさい。
というわけで、ある文献によって私が調べたところによると、どうもエイプリル・フールは日本起源のようです。それもかなり新しい風習のようです。
西暦1998年4月、NHKBS2の衛星アニメ劇場で「カードキャプターさくら」の放映が始まりました。当時、衛星放送受信機器を所有していなかった多くのオタクたちが、こぞってBSチューナー内蔵ビデオを購入したと言われています。しかし、当時、同ビデオデッキの相場は7万円くらい。経済力のない若年のオタクの皆さんは、自らのお小遣いでそれを購入することができませんでした。そこで、大量生産されたウソがこれでした。
「6月のワールドカップ見たいからさあ、BS内蔵ビデオ買ってよ。日本初出場なんだよ。お父さんも見たいでしょ」
この時出荷されたこのタイプのウソは、派生モデルも含めると、推定85万台に及ぶと言います。そこで、このような大きな経済的効果を生んだ国民的ウソを記念し、4月1日を「四月馬鹿」と名付け(つまり親がバカなのです)、類似の効果を生むことが期待される前向きなウソについては、その日に限って、考案・供給されるも可とすることが決定したのでした。この日本の風習「四月馬鹿」が英訳され、「エイプリル・フール」となって拡がり、今や全世界でのお馬鹿行事にまでなったのです。
ちなみになぜ4月1日になったかというと、分かる人には分かります。
木之本桜の誕生日が4月1日だからです。以上。
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