『般若心経入門』 ダライ・ラマ14世 宮坂宥洪訳
最近仏教がマイブームです。昨日の記事もちょっと変。そうとう洗脳されてますな。まあ、いいか。しっくり来ることが多いし、日常の中で、あっこれもだ、っていう経験が多いので。
飽きっぽい私のことですから、そのうちまた違うことに興味を持つのでしょう。しかし、これだけは言えます。ブッダはとんでもなく賢い。ブッダの説く「空」の世界は、まちがいなく、相対性理論や超ひも理論、M理論、素粒子論などに結びついています。つまり、究極の統一理論がそこにあるような気がします。あくまで予感ですが。さすがインドは数学と哲学の国。「ゼロ」と「空」を発見した国ですね。
さて、そんなインドでは、いろいろとありまして、仏教の勢力は極端に衰えてしまいました。その教えはヒマラヤを越えて、チベットで冷凍保存されました。中国や日本の仏教も、それこそ様々な縁起を経て魅力あるものに成長していったと思います。しかし、やはり純粋で、よりオリジナルに近い形としては、チベット仏教が重要な存在であることは確かでしょう。
そのチベットにおける転生仏のお一人として有名な、かのダライ・ラマ14世による『般若心経入門』を拝読いたしました。
非常に勉強になりました。以前読んだ本、例えば桐山さんの本とは違った説き方ですし、解釈自体も違いはあります。それは当然ですが、やはり、その説き方、解き方にその方の人柄が表れるんでしょうね。非常に癒されたような気がしました。
インド仏教史、大乗の教え、さらには現代における宗教論に至るまで、常に他を認める姿勢を崩さず、冷静な視線で語られています。特に、三つのレベルの「苦」についての解説は、私にとって非常に有益でした。また、「空」を知ることが、どうやって慈悲・菩提心・利他心に至るのかという、今まで理解できなかった点が、なんとなくイメージとしてですが分かり始めた、というのは大きな収穫でしたね。般若心経のテーマが「智慧」と「慈悲」の融合にあったとは…目からウロコ。
まあ、とにかく『般若心経』というやつは、とんでもない「言葉」ですね。日頃「言葉」の限界を指摘することを趣味としているような私ですが、こうして限界を超える言葉というやつもあるんですなあ、と感動しきり。
そう考えると、やはり言葉の価値というものは、その内容なのでしょう。言葉それ自体では意味はありません。内容と言葉の正しい縁によって、意味のあるものになるのでしょう。不思議といえば不思議。当然と言えば当然なのかなあ。
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