アンドレアス・シュタイアー 『ファンダンゴ〜スペインのチェンバロ音楽』
Andreas Staier 『Variaciones del Fandango Espanol』
これは素晴らしいアルバムですね。一昨日シド・バレットを聴かせてくださいました方の旦那様によるおススメです。
以前からスペインの古楽には強い興味を持っておりました。カベソン、モラーレス、セレロールス、ソレール、ボッケリーニなどを聴いてきました。
もともとは、大学時代、山田流箏曲をやっていた時、八橋検校の六段などの段物が、スペイン、ポルトガルの変奏曲の影響を受けているんじゃないか、と思ったのがきっかけですかね。八橋さん、筑紫箏を極めた人ですし、時代的にもちょうどキリシタン世紀ですから、ありえるんですよ。というか、輸入された向うの音楽をこちらの音楽家が聴かない方が不自然です。
そんなわけか、なんだか分かりませんが、スペインの音楽には愛着を感じるんですよね。なにか懐かしい感じがする。カタロニア地方の民謡なんか泣けますよね。
さてさて、シュタイアーのチェンバロは、MAK時代から結構好きでした。若い頃は、ただ過激という感じ(単にゲーベルと一緒にやってたからかな)でしたけれど、ここのところの彼は、完全に巨匠のオーラを出していますね。フォルテピアノでの業績も特筆に値します。最近出た「トルコ行進曲」も面白いそうですね。聞いてみたいところです。
このCDでの彼も、知性と感性のバランスが見事で、エネルギッシュかつ緻密な演奏を披露しています。曲も新鮮な響きに満ちていて楽しめました。
特にアルベロの「レセルカータ,フーガとソナタ ニ調」が最高にかっこよく刺激的でした。フーガの部分なんか、それこそショスタコーヴィッチのように新しい感じがします。これはバロックじゃなくてロックですな。プログレ。そのあとのソナタの部分のおバカさ加減がまた絶妙です。ラテンですね。
このアルベロという人、34歳で亡くなってるんですね。夭逝のロッカーでしょうか。伝説のカリスマだったりして。パーセルやモーツァルトもそうですが、彼らのように若くして亡くなるロッカー(?)の音楽には、共通した「狂気」を感じます。一昨日書いた通り、その「狂気」は、時代よりかなり先を駆け抜けてしまい、そして歴史の中に語り継がれるようになる。彼らは幸せだったのでしょうか。命あっての物種という気もしますが。
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