カンサス 『偉大なる聴衆へ』
Kansas 『Two for the Show』
私が少年時代、最も聴き込み、最も影響を受けたバンドの一つ、カンサス。彼らの歴史的ライブアルバムです。
ELOとともに、私をヴァイオリンの世界に誘った師でもあるカンサスというバンド、日本ではあまり知られていませんかね。今でもテレビ番組のBGMで「すべては風の中に(Dust in the Wind)」が時々かかったりしますが。この曲がカンサスの最大のヒットになってしまいました。この曲はたしかに名曲ですが、ある意味最もカンサスらしくない曲です。こういうことって他のミュージシャンでもよくあることですね。クラシックでもありますよ。代表曲が特異的な作品だということ。
さて、このアルバムですが、アナログ盤(2枚組)を聴きつぶし、CD(1枚だけれど1曲少ない)も1枚つぶし(傷だらけ)、最近輸入盤で買い直しました。あらためて聴いて感嘆しているところです。
カンサスはいちおうプログレです。アメリカン・プログレ。プログレというと何か知的で都会的な感じがしますが、何しろカンザス州ですからね。渋谷陽一曰く「芋臭い」。そんなあ。かっこいいですよ、今聴いても。
70年代の後半、ディスコブームが始まらんという時に、こういう楽曲が売れたというのは素晴らしいことです。アメリカの懐の深さがうかがえます。
たしかに純粋プログレ?に比べるとキャッチーですが(それが芋なのかな)、目まぐるしい転調、変拍子、複雑な構成、1曲が妙に長い、歌よりも前奏、間奏、後奏が圧倒的に長い、演奏テク全開、など、プログレの基本はちゃんと押さえています。そんなアルバムがベストテン上位にランクされていたのです。ちなみに、ビルボード1978年年間アルバムチャートは
という具合です(無断借用御免)。すごいですねえ。感動ですねえ。青春ですねえ。幸せな時代です。
で、このカンサスのライブアルバムですが、脂が乗りきった絶頂期ということを雄弁に語る、すさまじい演奏の連続です。選曲もほとんどマイベストですし、その構成感、ライブならではの劇的効果、たまりません。
それにしても、本当にかっこいい芋ですよ。芋だって知的にお洒落になりますよ。芋革命ですよ。Amazonの試聴だけでもしてみてください(歌部分ばっかりですが)。こんな音楽、他にありますか?似たバンドありますか?偉大なるバンドです。
ちょっと演奏の経験がある私からすると、まず、これらの複雑な曲を暗譜して2時間近く完璧にアンサンブルすることがまず信じられません。クラシックの世界ではほとんど不可能でしょう。
ただ、録音があまり良くないのが欠点です。特に、私にとって肝心であるスタインハートのヴァイオリンが、録音的にもテクニック的にもヨボヨボでちょっと残念。まあ、最近のライブ盤は音が良過ぎて客席で聴いてる感じがしないし、だいたい手を加えすぎですからね。ある意味これはリアルなライブ録音なのかもしれません。
とにかくジャンルに関係なく音楽に興味がある人(それはほとんど全人類ですな)必聴の隠れた名盤です!絶対におススメ。
Amazon Two for the Show 偉大なる聴衆へ
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