高木ブー 『LET IT BOO』
ビートルズのカバーはいくらでもありますが、今日はそんな中の隠れた名盤をおススメします。あの高木ブーさんの『LET IT BOO』です。
高木ブーさんはもちろんドリフターズのメンバー。コメディアンとしてのドリフだけを知っている人にとっては、タイトルも含めて、え?おふざけじゃないの?という感じではないでしょうか。
しかし、ドリフターズと言えば、ビートルズの日本公演の前座をつとめたこともある名バンドという一面もあります。
特にブーさんはスライドギターの名手、またウクレレの名手として、知る人ぞ知る存在。おおげさでなく日本屈指の奏者です。
そう考えると、ビートルズの来日から35年ほどたってこのアルバムが録音されたということの感慨も深まりますねえ。あの時、「のっぽのサリー」をやったんですよね、ドリフは。
さて、ブーさんと言えば、やはりハワイアンです。ですから、このアルバムのビートルズもコテコテのハワイアンに調理されています。しかし、そこで動じないのがビートルズのすごさですね。ハワイアンであり、高木ブーであり、そしてビートルズであるわけでして、総体としてももちろんグーですが、いろいろな側面からの聴き方というものも可能となります。素材と調理法の幸運な出会いであり、また素材の美味さが調理によって引き立つという好例でしょう。やっぱり料理は素材が第一ですな。
おっと、料理ではなかった。音楽でした。
さて、このアルバムで演奏されているのは、1.OB-LA-DI,OB-LA-DA 2.MICHELLE 3.YELLOW SUBMARINE 4.SHE LOVES YOU 5.YESTERDAY 6.ALL MY LOVING 7.HERE COMES THE SUN 8.LOVE ME DO 9.TICKET TO RIDE 10.GIRL 11.LET IT BE という超名曲たち。これだけのビートルズのベストオブベストをカバーするのは、なかなか勇気のいることです。実際、複数のアーティストによるカバーアルバムというのは、いろいろなジャンルにわたって結構ありますが、一人でとなると、世界中見回してもそんなにありません。そりゃそうですよね。自分で曲作った方がどんなに楽でしょう。
いい素材を自分流に調理して、その素材を知り尽くした人たちに食してもらうことを考えればよくわかります。素材の良さが台無しだあ!なんて言われそう。ああ、こわい。そういう意味でも素材が第一。
それにしても、ブーさんのファルセットの素晴らしさ。柔らかくて透明。人柄がにじみ出ているようです。英語も堪能ですしね。こういう人が雷様に扮し、さりげなくウクレレをつま弾いていたとは。能ある鷹が爪を隠していたわけですね。いやいや、爪を隠したらつま弾けないか。
とにかく、ビートルズを通じて高木ブーさんの人柄(音楽)に触れることができ、そして高木ブーさんを通じてビートルズの素晴らしさに触れることができる名盤だと思いますよ。
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