曽根麻矢子 『ラティーナ』
え〜、昨日のシュタイアーによるファンダンゴ、良かったですねえ。最後に入っていた編曲版(チェンバロ2台による)ファンダンゴの元ネタはボッケリーニのギター五重奏曲です。そちらのCDも同時にお借りしていたので昨日聴いてみました。やっぱりギターはいいですなあ。リアルマドリードって感じ(?)。
で、今日はファンダンゴつながりで、曽根麻矢子さんのCDを引っ張り出してきました。
『情熱のファンダンゴ』…故スコット・ロス師匠の大事業「スカルラッティ全集」の補遺的内容のCDですね…でも、曽根さんはスカルラッティのファンダンゴを弾いています。そこでも、彼が残した楽譜を未完のものとして、即興的な変奏を加えていました。それをさらにパワーアップさせた2002年版が収録されているのが、この『ラティーナ』です。スカルラッティ(&曽根)が頭でお尻にソレル。シュタイアーと同様に団子で挟んでアルバムを構成しています。
曽根さんは、日本人ばなれした(?)ラテン的センスの持ち主です。フラメンコもお上手ですし。一度コンサートの練習の様子を盗み見(盗み聴き)させていただいたのですが、ものすごいエネルギーと集中力に思わずたじろいでしまいました。その時はバッハのフランス組曲を弾いたいらっしゃったのですが、完全にラテンのノリになっていて、なるほどこれが本当の「フランス」組曲か!と思いました。このCDももちろんコテコテのラテンです。
さてさて、いささか、個人的な話になりますが、曽根麻矢子さんのファンダンゴとワタクシとは浅からぬ因縁がございます。不肖ワタクシめ、曽根さんとデュオでファンダンゴを演奏したことがあるのです。たぶん御本人も覚えていらっしゃることでしょう。何しろ、その時の使用楽器は…。
曽根さんがお琴、ワタクシが三味線でしたから!演奏した場所もすごいですな。健康温泉施設の宴会場ですからねえ。すみません、もしかすると、秘密にしておかなければならない経歴なのかもしれませんね(笑)。でも、楽しかったな、ありゃ。
その時の私の即興演奏(ソレルの団子を元にした)を参考にしたのが、このCDに収録されている2002年版スカルラッティ団子だそうです…なわけはない。
もう一つ、ロスや曽根さんが録音に使用しているチェンバロを製作したデイビッド・レイさん。なぜかこの方とも一度お会いしたことがあります。それも彼の方から、私の当時の家(なんと荒れ寺)を訪ねて来たのです。その当時、彼は田舎に工房を探していたようで、どういうわけかウチを紹介され、迷い込んだのでした。スコット・ロスの話などを聞かせていただき、ダングルベールのCDを二人でしみじみと聴いたような記憶があります。
不思議なご縁ですね。今考えると、とんでもなく雲の上のお二人ですからね。
ところで、昨年曽根さんが出した「シャコンヌ」。これは自分にとっては必聴なのですが、CCCD/SACDハイブリッド仕様ということで、二の足を踏んでます。編曲にも演奏にも興味あるのですが…。
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コメント
トラックバックありがとうございました。
曽根さんと競演されたことがあるんですか!?うらやましい&すごいですね~!
曽根さんみたいな美女とチェンバロの競演とは…。なんて贅沢な時間なんでしょうか?
しかも楽器製作者ともお知り合いとは…。
『Latina』はまだ聴いたことがないですが、最近発売された『イギリス組曲』とともに今度トライしてみます。
追伸当方のリンクにこちらのページを付け加えさせていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
投稿: Jannita | 2005.08.17 21:03
Jannitaさん、コメントありがとうございます。
いやあ、競演というか競宴ですよ。
古楽界の宴会係のワタクシは、おかげさまでいろいろな有名人の方と競宴させていただいてます(笑)。
曽根さんはまさに才色兼備!ものすごい才能の持ち主ですよ。
ユーモアのセンスもなかなか。
その宴会のライブビデオは私の宝物の一つです。
私もJannitaさんのブログにリンクさせていただきました。
今後ともよろしくお願いしますね!
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2005.08.18 06:01