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2005.02.26

キース・ジャレット・トリオ 『ジ・アウト・オブ・タウナーズ』

B0002JP41O.01.MZZZZZZZ 一昨日のおススメであるパット・メセニー・グループと一緒に注文したのが、これでした。ともに甲乙つけがたい歴史に残る名演です。
 この2枚を続けて聴くのは辛かった。冗談抜きで、あまりに素晴らしいものを二つ続けて、というのは、私のような凡人にとってはちょっと荷が重過ぎました。今、彼らと同時代に生きているということの幸せ。幸せ過ぎて怖い…冗談ではなくそんな感に襲われています。
 キースのトリオのライブには何回か行きましたが、やはり逃げも隠れもできないホールの中で、あの空気の振動…本当に会場が波打つんですよね…を受けとめるのは、正直辛いものがありました。こちらにも完璧さを要求するような完璧さ。分かりますか?ここのところ、何度も書いていますが、中途半端でない「瞑想」と「興奮」を強いられるのです。それは心地よいわけですけれど、よほど自分がしっかりしていないと、乗り損ねたり、あらぬ方向に投げ出されたり。今回のCDは、そんな緊張感までも見事に録音されています。逃げも隠れもできない。
 キースのトリオも、もう結成20年だそうです。スタンダードナンバーにあえて挑戦しつつ、今までにない全く新しい世界を創造し続けてきた彼ら。今回のアルバムは、彼らの歩みの一つの到達点、極みのような気がします。それはスタイルの完全な確立ということでもあります。しかし、一方でそれだけでない精神性。3人が「今極めよう」という一致した気持ちで演奏に臨んでいることが分かります。
 私は、それについていけない。私の気持ちが、今までの彼らのアルバムを聴く時と同じなのですから。聴き手として極めようなんて、これっぽっちも考えずに聴いているのです。
 だから、これからだと思います。私は何年かけて彼らの高みに到達できるのでしょうか。いや、一生できないかもしれない。でも楽しみです。この聖なるきざはしを昇っていくんです。そういう目標があるというのが人生の充実なのです。焦らず自分のペースで昇っていきましょう。
 スタンダード、フリー・インプロヴィゼーション、ピアノ・ソロ、いろいろ楽しめるこのアルバム。そんな中で、今回あらためて感じたのは、ジャック・デジョネットの偉大さです。彼の演奏を、このトリオだけでなく、いろいろな所で聴いています。彼は共演者に合わせて自分をどんどん変えられるすごさを持ってるんですよね。ある意味、キースとゲーリーは、このトリオがほとんど唯一の居場所という感じ。特にキース。それに比して、ジャックの懐の広さ、深さは本当に尊敬に値しますね。彼はドラムを鍵盤楽器のように弾きます。それも優れた伴奏ピアニストのように。
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» Keith Jarrett☆ [阿部仲麻呂★学術活動!★ ABE-NAKAMARO WEBlog]
☆8年ほど前から、キース・ジャレットのピアノ演奏を愛聴しています。ドイツのミュンヘンにいたときに、CDを購入して、毎日聴いていましたし…(CD『Tokyo’96』ECM、1998)。心に、しみます! その後も、いろいろとCDを買い集めて、くりかえし聴いています。 ☆情感豊かに、静謐で硬質な透明感あふれるメロディーを弾きつづけるキース。 ときたま、キースが、うなり声をあげながら、からだをゆさぶるようすが、脳裏に浮かぶほどに、臨場感あふれる演奏。ピアノの音がつぎつぎに微妙なまでに織り重なり..... [続きを読む]

受信: 2005.10.18 23:49

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