『理想主義者』 三沢光晴 (ネコ・パブリッシング)
ハッキリ言って(コレ三沢の口癖です)、あまり面白くありませんでした。
まあ、三沢らしいのでしょうが、なんというか、真面目過ぎて遊び心がない。
たぶん、本人の筆ではないと思いますが、もう少し上手な文章は書けないものでしょうか。いや、本人だったら許す!ゴーストだったら許さない!
言ってる内容と文章がかみ合ってないんですね。リズム感が悪く、全然惹きつけられない。試合だったらしょっぱい試合。それにくらべると、おとといの京平さんの本は、実に京平さんらしくて違和感がありませんでした。
たぶん、三沢本人の希望もあって、プロレスにつきまとう胡散臭さを払拭したかったんでしょうね。しかし、それが失敗に終わっていると思いました。言ってることはいいんだけどなあ…。残念。
誰が書いたにせよ、ちょっと力み過ぎたのかもしれません。三沢ってもっと茶目っ気のある人でしょう。こういうちょっと説教じみたことはあまり聞きたくなかったのです。プロレスを知らない人にとっては、勉強になるでしょうが、私たちプロレス教信者にとっては、そんなこと言わなくてもいいよ、という感じなのです。
なぜ、ロープに振られて素直に帰ってくるのか…そんなことを理論的に書いてくれなくていいわけです。例えばそういうことを説明する時の言葉が中途半端で、よけいに怪しくなってしまっている。なんで、印籠が出るまで黄門様なのか分からないんだ!とか、なんで、ウルトラマンに変身する人がばれないんだ!とかいう疑問に、一生懸命答えても仕方ありません。夢を売る商売なんですから。
まあ、それでも心に残るところはたくさんありましたよ。
京平さんの本の時もそうでしたが、やはり、ジャンボ鶴田は化け物だった!ということ、これを再再再確認しました。山梨県は優れたレスラーを多数輩出しているのですが、やっぱりジャンボは別格かあ。それはちょっと嬉しかった。早く墓参りしなきゃ、ジャンボの。
今日は節分。私と家内はどうも厄年らしいのですが、厄を払っていないせいか、高熱に苦しめられています。今も39度あるのです。しかし、三沢に、「レスラーは40度熱があっても、リングに上がり、それと悟られないように試合をする…それがプロ」って言われちゃあ、早退もできませんな。よし、気合いで治すぞ!って言っときながら、授業はビデオ見せてごまかしてるのは誰だ!
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