『不二の妙道を行く』 河野太通 (春秋社)
ものすごくいい本です。久々に自分が大きく変わりました。
今ちょっと考えるところがあって、キリスト教とイスラム教、ユダヤ教、そして仏教の本を同時に読んでいます。そんな中、昨日届いて一気に読んでしまったのがこの本です。
一気に読んだには、もちろん理由があります。ものすごく引き込まれてしまったのです。途中、なぜか目頭が熱くなりました。慈悲に満ちた内容と文章。美しい本です。そして、今ちょっと考えていることの答えにつながるヒントを発見させていただきました。
河野太通老師は、臨済宗妙心寺派のお坊さんです。仕事柄、禅には比較的親しんでいる方だとは思いますが、その「心」までは正直分かっていません。まあ、分かってしまったら、私も老師になれてしまうわけですけど…。
このサイトの名前である「不二草紙」。いろいろな理由があって、この名前を付けたました。もちろん、富士山(不二山)のフジでもあり、単に二つと無いという意味でのフジ。赤塚不二夫にちなんだとも言えます。
しかし、実を言うと、裏のワケもあるのです。その場合は「フニ」と読みます。「フニ」に対する憧れです。この本のタイトルも「フニの〜」です。
「フニ」とは、一言で言うと、二つ(以上)だと思っているものも高い次元から見れば実は二つ(以上)ではない、ということです。例えば、自己と他者。人間と自然。精神と肉体。善と悪。生と死。相対的な二元論を否定するわけです。否定するんじゃないな、否定も肯定もない。一つの大きなモノの一部であり、全体であるわけです。
その、一つの大きなモノが「神」であり「毘盧遮那仏」であり「ゴッド」であり「サムシング・グレート」である、と同時に、例えば自分自身でもあります。
そういった視点に立てば、もちろん、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の対立など、まさに一つの大きなモノの意志に反していることだと分かります(そんな単純に行かないことも知っていますが、それでもやっぱり私は間違っていると思います)。
不二一如(二つは実は一つ)というようにも言われますが、私が今回感じたところによると、それも少し違うのではないでしょうか。つまり、不二=1ではなく、不二=0、不二=∞なのではないか。仏教で言うところの「無」「空」であり、神道で言うところの「八百万(もちろん無限大という意味)」。
これ以上はまだ書けません。もう少しはっきり分かったらどこかに書きます。いずれにせよ、この本のおかげさまで、私は大きく前進することができました。それだけでも不二(無我)ですね。自分は自分だけで自分ではない…。
Amazon 不二の妙道を行く
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