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2005.01.27

『やぶにらみ科学論』 池田清彦 (ちくま新書)

4480061401.09.MZZZZZZZ 楽しい本ですね。養老先生の本と同じ読後感。そういえば、ご両人とも昆虫採集がご趣味のようですな。
 池田先生、国語の試験では売れっ子の生物学者さんです。この肩書きについて、ご本人はどう思われるかわかりませんが、私としてはほめ言葉のつもりです。
 私の前に座っている同僚が、大学時代に直接関わったことがあるとのことで、池田先生の生物学的実態(=生態)を聞かせていただきましたが、うん、なかなか魅力的な人だ。今は早稲田大学に引き抜かれちゃったようです。
 科学者としてはどうか知りませんが、人間としては、こういう方が教育に携わっているというのは健全なことと思われます。
 クローン人間なぜ悪い、とか、地球温暖化なんて科学ではなく政治の問題、とか、禁煙運動は原理主義だ、とか、今の医療は健康な人を病気にするためにある、とか…。悪く言えばアマノジャクということになるんでしょうけど、良く言えば、ご本人があとがきで述べているように、「本当のことを言ってしまう」人なんでしょうね。世の中には、常識や権威とかいう無言の圧力があって、それに屈する大人がほとんどなわけです。たまにこういう本当のことをばらしちゃう人がいる。そういう人は、ある筋からは煙たがられますが、一般人にはけっこう好かれますよね。
 池田先生や養老先生のように、理系でありながら、堅苦しい学術論文よりも、こうしたエッセイを得意とする方が時々いらっしゃいますね。だいたいそういう方は、私の目には魅力ある人間として映ります。寺田寅彦さん、藤原正彦さん。たぶん文系と理系のバランスがいいのでしょう。うらやましい。
 彼らのエッセイ(随筆)には、論文にはない毒があります。ある意味パラドックスですが、彼らには権威があるから、毒舌家になれる。毒舌家が放つ毒というのは、つまりは苦い薬でして、そういう毒のような薬というものを、実は世の中は欲している。だまされて流れに棹さしていても、どこかで水もさしてもらいたい。そんなものです。
 私も不肖ながら、常識や権威を疑っていきたいし、生徒たちにもそういう刺激を与えていきたいと思っています。全然権威ないけど…orz
Amazon やぶにらみ科学論 ちくま新書

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