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2004.12.12

『秋日和』 小津安二郎監督作品

cp0006 今日は小津安二郎監督の誕生日であり、命日です。今年はこれを観ることにしました。
 いちおう、小津作品は全て持っています(観ていないのもありますが)。中で、この「秋日和」は何度も観ている作品の一つです。
 教材として使う「生まれてはみたけれど」「東京物語」は当然何度も観るわけですが、こちら「秋日和」はリラックスしたい時に漫然と観ます。そして、過度ではなく適度に笑って、過度ではなく適度にしんみりして、過度ではなく適度にほんわかして、それで満足します。そういう小津のいろいろな要素が、ちょうどいい具合に配合されている作品なんですね。だから、小津作品の中で最も好きなのは?と問われれば、もしかするとこの作品を挙げるかもしれない。それくらい私にとっては魅力的です。
 内容は言葉にしてしまえばいつも通り。母娘の結婚を巡るエピソードです。今晩もまた豆腐かあ、という感じ。でもそこが小津です。晩年の作品というだけのことはあって、もうその豆腐屋ぶりも職人の世界を越えて、完全に芸術の域に入っていますね。
 さてさて、この作品、どこが素晴らしいかと言えば…。
 もちろん、母親役の原節子も娘役の司葉子も、非の打ち所がありません。原節子など娘役の頃よりも美しく見えるほどですから。しかし、それを取り巻くスパイスたちが、それ以上に実にいい味を出している。見事なアミノ酸ぶりを発揮しています。
 まずは岡田茉莉子!今でこそ…ですが、なんともチャーミングなこと!爽快、痛快です。そして、それに絡むオヤジ3人組。北竜二、佐分利信、中村伸郎…う〜む日本のオヤジはかわいい!!しっかし、すごい役者さんがいましたねえ、昔は。彼らの絶妙の会話シーンは、もう重要文化財ものですよ。外国人にこれができるか!
 ちょい役の笠智衆、小津作品デビューの岩下志麻に注目するのも面白い。また、1960年代の世相、風俗を見るのも面白い。いろいろな楽しみ方ができますね。当時の日本語も興味深い。
 とにかく濃厚な小津タイムを満喫しました。いいものは何度観てもいいですね。
 ちなみに婿さん役の佐田啓二さん(中井貴一・中井貴恵のお父さんですね)なんですが、昭和39年8月17日に山梨県で交通事故でお亡くなりになりました。まさにその日、私がお隣の県に生まれました。つまり、私は佐田啓二さんの生まれ変わり…なわけないだろ!故人に失礼です!
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