ベネッセ表現読解国語辞典
今日も楽しい辞典を紹介しましょう。
楽しい、とは言っても、昨日の新解さんの楽しさとは全然違いますよ。笑えませんが、なるほどと納得し、へ〜と感心する楽しさです。
仕事柄、辞書の見本をいただくことが多く、そのたびにいろいろケチをつけるのが趣味のようになっています。辞書も結構まちがいがあるんですよね。特に初版は。あと、項目ごとの温度差。気合いが入っている語釈と、なんとなくまあいいやという感じの語釈。他の辞書からのあからさまな転用。いろいろですよ。
で、この辞典は初版からお〜っと思いましたね。もちろんツッコミどころはあります。普通の国語辞典として読めば、薄くて軽い(内容)という評価しか得られないでしょう。では何が楽しいのか。
それは、気合いの入れどころが普通ではない点です。従来の辞典観に対する挑戦とも言えるコンセプトのユニークさです。
ただ単に、1対1の語釈を並べるだけでなく、特にイメージしにくい、哲学用語などの学術語、カタカナ語について、イラストやチャート、コラムなどを駆使して解説してあります。また、逆に和語の基本語については、最近忘れ去られつつある微妙なニュアンスや、多様な表現を紹介してあります。それらの語の選定基準については多少疑問も残りますが、とりあえず私の目からは、ウロコがハラハラリンと落ちまくりました。いかに自分の日本語が貧弱なものであったか、思い知らされましたね。恥ずかしいことです。
基本的に高校生(大学受験生)向けの編集方針のようですけれど、現代日本語を当たり前のように使っている大人にこそ、この辞典を読んでいただきたい。そう、読むのです。そういう意味では新解さんと同じような使い方ができます。何気なく開いて、そこを読む。必ずウロコが一枚は落ちます。
こういう、最新の語や例文を採用したものは改訂が大変でしょうね。今後、時代の急流に乗った進化を遂げていったら、本当に画期的な辞典として、歴史に名を残すことになるでしょう。これからが勝負ですね、ベネッセさん。
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