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2004.12.15

流れ橋とプロレス

2-1 今日、ある本を読んでいたら、流れ橋のことが出ていまして、ちょっと考えさせられました。 
流れ橋と言えば、京都八幡市の上津屋橋(こうづやばし)が有名ですね。木津川にかかる橋で、時代劇にしょっちゅう登場していますから、誰しも一度は目にしているはずです。全国には同じような構造の橋がいくつかあります。
 増水による水圧に耐えうる頑丈な橋を造るというのが、現代の常識です。しかし、それは近代的な、科学的な思考であって、決して人類全体の常識ではありません。日本人も近代以前には違う発想をしていました。
2-2 つまり、自然の驚異的な力に抗わないでやりすごす、という発想です。この流れ橋は、増水すると橋桁と橋板がプカプカと浮かんで流れていきます。それらと橋脚はひも(今はワイヤー)でつながれていますので、水位が下がって川が穏やかさを取り戻したら、ヒョイヒョイとそのひもを引っ張って、また元の通りに組み立てて、ハイ橋が再生する、という仕組みです。全体が流されたり、壊されたりした場合より、ずっと経済的でもあるわけです。
 日本人は自然の猛威に対抗せず、ただひたすら祈りながらじっとしているということが多かったようです。それはたぶん、自然の猛威というのが神の仕業だと考えていたからだと思われます。神様が何だか知らないけれど怒ってる、とにかくお祈りして怒りがおさまるまで待とう。
 こういう姿勢は、西洋的思考からすると、カッコ悪い、情けないことに違いありません。それに対抗して、それを制御するのが、人間の智慧だと考えるでしょう。しかし、本当にそうなのでしょうか。
 日本人も含めて、近代的、科学的な生活を送っている我々が、実は大きなダメージを受けているということは、誰もが知っていることです。傲慢さが招くのは自滅だと、歴史は教えてくれます。どうしたらよいのでしょうか。
 プロレスで技を受けた選手がおおげさに吹っ飛ぶのを、あれは八百長だなんて言う人がたくさんいますが、ああいう風にするのが、最もケガが少ないんだそうです。変に踏ん張ると、自分も相手もケガをすることになる。プロレスには、相手にケガをさせてはいけないという基本的なルールがあります。受け身の上手な選手(つまり優れたレスラー)同士の試合は、思いっきり技をかけあえるので、結果いい試合となるわけです。
 日本のいろいろな歴史的構造物に「あそび」がたくさんあることはよく知られています。それは「いいかげん」ではなく「いい加減」の結果ではないでしょうか。日本人の智慧そのものです。
 私も流れ橋やプロレスを見習って、相手(自然にせよ人間にせよ)と共存していく「いい加減」な生き方をしてゆきたいですね。

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