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2004.12.28

猫のトランプ『meow playing cards』 Umbra社

68552 猫好きの生徒が東急ハンズで買ってきてくれました。一見、小型のペンケースのようなメガネケースのような感じで、いや、まずこのケースが素晴らしい。大きさ、形、質感、透明度、色、耳の取り付け具合…。で、パカッと開けてみますと…。
 中にはトランプが。ユニークな形のカードに54種類(ケースには52と書いてありますが)の猫たちのイラストが描いてあります。猫好きにはたまらないアイテムですねえ。ウチに持って帰ったところ、カミさんも子どもたちも大騒ぎでした。1枚1枚見ながら悲鳴が上がる。
 センスが秀逸です。猫のトランプというのは他にもたくさんありますが、普通の大きさ普通の形で写真というのでは、これほどの興奮を誘いません。やはり、この全く実用的でない形、大きさ、デザイン、そして写真ではなく絵というところがいいのでしょう。
 とてもこれを使ってカードゲームをしようとは思いません。猫好きならただ眺めているだけで、というか所有しているだけで満足でしょうけれど、その手の人種でない人にとっては、なんでこんなに使いにくいんだ、というかまず買いませんね。つまり、このプレイング・カードはプレイするためのカードではないのです。本当の猫好きのためのコレクターズ・アイテムなのです。だから、この機能性軽視のコンセプトは大正解というわけです。
 こんなデザインをするのはいったいどんな会社?
 なるほどね。Umbra社でしたか。Umbraと言えば、カナダ発オシャレな家具や雑貨のメーカーです。日本の家具屋さんや雑貨屋さんでも時々見かけますね。椅子とか時計とか。お値段もお手頃、案外庶民の味方的存在です。
 こういった簡素さや遊び心、機能性の軽視なんかは、実は日本人の得意とする分野だったんですよね。それが戦後、全然ダメになってしまった。今どきの日本製品で美しい物ってあります?ついついそういう物が部屋を占拠するようになってしまって、生活が涸れているような感じがします。
 これからの時代、付加価値としてのデザインをもっと重視するべきですね。つまり、我々消費者がそういうセンスを持つべきだということです。作り手の問題じゃありません。
Umbra

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