『ネコ族の夜咄』 村松友視, 南伸坊, 小池真理子(清流出版)
この本はひどい本です。
まずネコなんかに興味がない人にとって、これほどつまらない本はない。こんなものが出版されていいのかというくらい、どうでもいい本でしょう。
一方、ネコ族にとっては、まさに心躍らせる、仕事も手につかなくさせる困った本です。
私は後者ですので、やはり困りました。大掃除なんか全然できない。
村松友視、小池真理子、南伸坊、3人とも確かに筋金入りのネコ族ですね。くやしいけれど、私は完全に負けてますね。私はネコ族の2軍って感じです。カミさんは完全に1軍レギュラーですが。
さて、この本を堪能して思ったこと。ネコの魅力は禅に通ず。
本書の中でも皆さんおっしゃっていますが、ネコはずっとじっとしていられる。最も快適な方法を知っている。一方いやなことは絶対自分からしない。禅の修行はいやなことでは?いえいえ最も快適な方法ですよ。日常の、人間社会の常識にとらわれていなければ。
また、ネコは強い美意識を持っています。これも禅僧の意識に近い。何人かのお坊さんから聞いたことがあるので確かです。美意識のみが楽しみ。つまりこれもほとんど唯一の快適のための方法。
私がネコに憧れるのと、禅的世界に憧れるのとは、根本的に一緒のようです。とらわれない自分のスタイル。きっと、そういうものがないんですよ、自分に。
それにしても、面白かったのは、ネコが古今東西みんな同じような習性がある、ということよりも、ネコ族がネコたちに対して、みんな同じ行動をとるということですね。可愛がり方、遊び方、おちょくり方。
もちろん、微妙な違いはあります。本当に些細な個性ですけれども。ネコ族3人の、その微妙な違いも面白かった。南さんがやっぱり一番変でしたね。
Amazon ネコ族の夜咄
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