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2004.11.30

『渚のシンドバッド』 橋口亮輔監督作品

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 やっとDVDになりました。私の最も好きな映画の一つです。何度観てもいい。胸がキュンとしますね。
 これは奇跡的な作品だと思います。特典映像の中で監督や岡田君も言っておりました。偶然に偶然が重なった作品だと。神が降りたのでしょう。
 なんといっても、まず岡田義徳、浜崎あゆみ、二人の圧倒的な魅力です。私が初めて観た時、まだ浜崎は歌手としてはデビューしていませんでした。しかし、この女優のこの存在感、翳の魅力は何なんだ!これは大物になる!と思いましたね。繊細すぎる岡田君も最高。そして、奸原役の山口耕史君(今は立派なラッパーです)がいいですねえ。エンディングの彼の哀愁漂う背中…たまりません。
 話によると、リハーサルは本番の前後のシーンだけを繰り返し、本番はその流れでほとんどアドリブで撮影したそうです。なるほど、演技が演技ではなく、妙にリアルなはずです。セリフが聞きづらかったり、かぶったりしますが、それがどこかドキュメンタリー風で効果を上げています。こういう演出法もあるんですね。感心、感心。
 内容的には17歳のひと夏の甘酸っぱい想い、という感じですが、そこにゲイとレイプいう、ある意味非日常を織り込むことによって、切なさ、やるせなさ、言葉の無力さを上手に、しかし自然に浮かび上がらせています。
 言葉が無力であることをリアルに痛感した者しかできない表情を、出演者みんながしています。それだけ、監督が彼らを本気で悩ませたのでしょう。そうでないと、あんな空気は作れませんよ。感情移入とかいう次元じゃない。本物の感情の交錯、衝突なのです。
 いかにも日本映画です。小津作品にも似た、淡々とした感動を呼びます。もし、もしもですが、自分に才能があって、映画を撮ることができたとしたら、こういう作品を残したいと思います。
 それにしても、あの田舎の夏みかん畑について語るシーンでの浜崎の穏やかな表情、その前後とのコントラスト抜きにしても、やっぱり泣けます。美しい。彼女には歌より芝居をやってほしい。彼女自身は、この映画を「美しすぎる」という理由で見返していないそうですが。
 ps浜崎あゆみと安西ひろこが共演してることに気づいてる人、どれくらいいるのだろう…。あと、未公開シーン…ちょっと衝撃でしたが、私はカットしなくてもよかったのにと思いました。
Amazon 渚のシンドバッド

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2004.11.29

2004イチロー 新記録への軌跡(NHKBS特集)

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 録画してあったものを見ました。もう、絶句です。
 ほとんど求道者ですね。私にとっては完全に神の領域です。永平寺の宮崎奕保禅師と同レベルです。
 一つ一つの言葉の重み。行動と結果を伴った、つまり実体のある言葉。
 「スランプの時にこそ絶好調が現れる」…まるで禅問答のようでしたね。人と違う発想に潜む真実。つまり、日常に埋没した真理を彼ならではの理論と方法で具現し、私たちに見せてくれるのです。
 偶然の好結果(私たちからすると全然偶然じゃないんですけどね)に悩み、あくまで必然、すなわち理由があり、説明できる結果を求める。それは、ある意味自分に自信がなければできないことです。もちろん、生来の才能というのもあります。 しかし、そこに甘んじない、甘えないイチローの姿は、自己開発の可能性を教えてくれます。
 内角の球を流し打つという、常識にとらわれない自由な発想。過去の事実や伝統や常識から解き放たれています。とらわれない、ということは自己責任ということでもあります。その重責に堪え得る精神力の裏付けがなければなりません。
 自分を振り返ると、本当にいやになってしまいます。その場限りの思いつき。継続性のなさ。空虚な言葉。甘え。あきらめ。凡人なら凡人並に努力しろよ!って感じです。
 今日は生徒と一緒にこのビデオを見ました。やはり、本物の言葉は心に響いたようです。イチローが学習のあり方を淡々と、しかし深々と語ってくれました。小さなこと細かいことの積み重ねしかない…。
 私も生徒も今日からどれくらい変われるのでしょうか。

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2004.11.28

『男と女の悲しい死体』 上野正彦 

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『死体は語る』が実に興味深い内容でしたので、次は何を読もうかと考えていましたが、ついついタイトルにつられてコレを手に取ってしまいました。
 男と女というテーマには常に死の影がさしています。多くの古典作品を引っ張り出すまでもありません。自殺、殺人、心中…。男と女の存在理由が、生命を生み出すことにあるわけですから、その裏返しである死も黒い輝きを持つのでしょう。なんとなく納得できるような、できないような…。愛と憎しみが表裏一体であるというのと似ているのかもしれませんね。
 さて、この本での上野先生は、ちょっと気合いが足りないというか、内容も表現も深みがなく、少しがっかり。まあ、あんまり時間がなかったんでしょう。忙しいようですから。ただ、あんまりこのテーマについて深入りすると、かなりドロドロした雰囲気になってしまうでしょうから、意外にこの程度の入れ込み具合の方が良かったのかもしれません。結局、ワイドショーを見ているような感じで楽しめてしまいました。
 昔は恋愛の末の心中が、けっこう美化される傾向がありました。しかし、実際の死体は決して美しいものではない。当たり前ですが、そんなことを実感しました。美しい心のままで死にたい、なんて思っても、残るのは醜い死体だけ。そんなところが「悲しい」のでしょう。
 人間を懸命にさせるもの、戦争、宗教、恋愛、金…いまや戦争は身近なものではありません。宗教も形骸化し、恋愛もいまや命を懸けてまでするものではなくなりました。そうすると、残るのは金ですか。女性による保険金殺人が今後も増えていくんですかね。
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2004.11.27

FUNAI DVDレコーダ FDRS-01

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 8ミリビデオやVHSビデオの資産たちが数百本あります(数えたことはありません、たぶん千本はないと思います)。その中身は?…ほとんど邦画と自分の演奏会の記録、学校の日常風景、それから全盛期の全日本プロレス中継が大量に。
 最近、それらの劣化が始まっており、なんとかデジタル化しておきたいと思っていました。パソコンに取り込んでDVD化するのは、やってみれば分かりますが、めちゃくちゃ面倒。やっぱりハードウェアエンコードが手っ取り早い…というわけで、その目的にかなったDVDレコーダを探していましたところ、ありました。
 テレビの録画をするわけではありませんから、もちろんハードディスクなんていりません。VHSデッキも8ミリデッキもありますからいりません。でも、シンプルなDVDレコーダというのが、世の中にあまりに少ない。つまり需要がないのです。だいたい無駄な贅沢をしたがる、いろいろな機能をぶちこみたがるのは日本固有の文化ですから、海外製品に目を向けておりました。そうしたら、国内メーカーから出てました(中国製ですが)。渋い!船井電機です。
 フナイは日本国内ではあまり知られていないメーカーです。昔はソニーの下請けなんかをやっておりましたが、ある時期からは自社ブランドで国内市場に進出を始め、ビデオやテレビの分野で価格破壊を起こしてきました。意外に知られていないのですが、北米でのDVDやビデオ関係のハードウェアのシェアは、ここのところずっとフナイがトップです。インクジェットプリンタも2位だとか。
 私も今までいくつかフナイ製品を買っています。それらも値段のわりには安定した品質だったので、今回も迷わず購入しました。ちなみにビックカメラで24000円ちょい。1割のポイントがつきましたから、実質22000円くらいでした。安すぎる!
 さっそくダビングをしてみましたが、画質、操作性ともに問題なく、ワタクシ的には十分合格点を出せます!デザイン(特にリモコン)のチープさは、逆に私の妙なモノセンサーを刺激してグー。さあ、これからダビングしまくるぞ!…って何年かかるんだろう…。

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2004.11.26

『こころと経済』 妙木浩之 (産業図書)

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 経済心理学ではなくて、心理経済学の本です。
 経済心理学というのは、経済を心理学的観点から読み解こうというものです。こちらはその逆。心理を経済学的観点から…ということですね。
 経済心理学の方がメジャーです。わかりやすい。経済活動は人間の心の上に成り立っているのだから、当然です。経済は数式通り行かないと言われますが、その例外的部分が、人間の心理の不可解さ、複雑さに依存しているというわけです。
 次のようなダニエル・カーネマンのゲームをご存じでしょうか(日本風に少し改変)。
・100%80万円もらえるのと85%の確率で100万円もらえるのと、どっちがいい?
・100%80万円損するのと85%の確率で100万円損するのと、どっちがいい?
 理系的には期待値を計算すれば、おのずと答えが出ます。しかし、文系的にはほとんどの人が逆の答えを選びます。ここが、経済の面白いところですよね。
 心理学を文系にしてしまうのは、ずいぶんと乱暴なことですが、まあ分かりやすくするためです。
 で、こういった経済心理学はけっこう昔からあるようで、今も発展途上の分野です。最近もたしか日経新聞の連載で取り上げられてました。
 一方、心理経済学というのは、どうも妙木さんの考案した分野らしい。だから、この本はつめが甘く、読者としては、経済についても心理についても消化不良の感が否めません。しかし、なるほど、もともと経済的な心理というものが本能としてあって、それが具体的な経済活動を生んだと思えば、納得する部分が多く出てきます。特に上にのせたマトリックスは面白く拝見しました。また、「もの」と「こころ」の関係についての記述は、私の物語論にも使えそうでした。妙木先生のこれからに期待しましょう。

Amazon こころと経済

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2004.11.25

ビレリ・ラグレーン 『ジプシー・プロジェクト&フレンズ』

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 昨日から続いて、ジプシー・スウィングの名盤を紹介しましょう。
 これもセント・ギガで放送されたものをCDにしてありました。いいアルバムですよ〜。昨日はチャボロこそジャンゴの後継者のようなことを書きましたが、これを聴くとビレリ・ラクレーンも負けず劣らずの人材であることがわかります。
 特にこちらはギター数人、ヴァイオリンにボーカルまでフィーチャーされていますから、かつてのホット・クラブ・クインテットを彷彿とさせる雰囲気で大いに盛り上がっています。
 それにしてもみんな上手いですね。ヴァイオリンのフローリン・ニキュレスキュ…ぜんぜん知らない人ですが、実に上手。ジプシーにはこういう人がたくさんいるのでしょう。グラッペリそっくりの音色や節回しを随所で聴かせてくれます。
 ジャズ・ヴァイオリニストの世界では、グラッペリのように弾ける人が正直見当たりません。グラッペリが孤高なのかと思っていましたが、こういうレコーディングを聴くと、な〜んだ、単にグラッペリがジプシー風なのか、ということに気づかされます。もちろん彼にはプラスαがたくさんあるからすごいんですけど。基本はここですね。やっぱりジャンゴの影響が大ということでしょう。
 このアルバム、全体に楽しく、いきいきとした演奏で、まるでライヴハウスにいるかのような錯覚に陥ります。こんなアンサンブルが出来たらどんなに幸せでしょうね。うらやましい限りです。
 ところで、このビレリ・ラグレーンさん、あのジャコ・パストリアスとタイマンやってるんですよね。それもかなりロックよりのアプローチらしい。芸風広いなあ。このアルバムからは想像つきまんせん。天才ジャコとどうからむのか、ああ聴いてみたい!!
Amazon ジプシー・プロジェクト&フレンズ シュトゥットガルト・アリア ライヴ・イン・イタリア

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2004.11.24

チャボロ・シュミット 『ミリ・ファミリア』

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 だいぶ前にst.gigaでエア・チェックしてあったのものが、CDの整理中に見つかったので聴いてみました。
 聴く前は、ああ忘れてた、程度の認識でしたが、聴いてみてびっくり!これはすごい!う〜む。こういうギタリストがいるんですよね、世の中には。
 私はけっこうジャンゴ・ラインハルトが好きです。もちろん、ステファン・グラッペリつながりで、彼のギターを聴きはじめました。あと、MJQの「ジャンゴ」つながりかな。とにかく、ジプシー・スウィングという独自の素敵なジャンルを作りあけた彼の才能には感服しきりです。ジプシーギターだけでなく、ジャズの歴史をも変えてしまいましたから。
 しかし、不世出の天才が歴史を変えると、だいたいその後は辛いもんです。完璧にまねてもほめられず、あえて違うことをするとキワモノ扱いされ、そうこうしてる内にだいたい流派が分かれて仲たがいする…どこの世界でも一緒ですね。どことは言いませんが。
 そんな中、半世紀くらい経つとまた基本に立ち返ったいい人材が現れるものです。というか、現れたとしたら、そのジャンルは幸福です。チャボロ・シュミットが現れたジプシー・スウィング(マヌーシュ・ジャズ)は、しばらく安泰かな。ラインハルトの後継者であるとともに(すごいテクと表現)、もちろん「今」も上手に織り込んで、とっても素敵な音楽を提供してくれてます。ジプシー独特の力強さと哀愁、粗っぽさと繊細さ、こういう矛盾が魅力的です。
 たまたま見つけてラッキーでした。こういう渋めのニューアルバムをじゃんじゃん放送してたセント・ギガってすごかったなあ…。いろいろな出会いがありました…それが今では、トホホ。おっと脱線。
 このチャボロ・シュミットが出演、演奏しているという映画「僕のスウィング」もぜひ観て聴いてみたいと思います。
Amazon ミリ・ファミリア 僕のスウィング

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2004.11.23

身曾岐神社(みそぎじんじゃ)

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 あんまりいい天気なので、久々に家族でドライブ。県内でありながら、最近足を運んでいなかった八ケ岳方面へ行ってまいりました。
 私の目的は、小淵沢の古神道本宮「身曾岐神社」です。いわゆる神道十三派の一つである禊教の本宮です。夏には毎年薪能が行われており、それを見に行った知人から、素晴らしい社だから一度行くといい、と言われながらもう何年も経ってしまいました。ようやく今日、念願のお参りが実現したというわけです。
 結論から申しますと、日本人なら一度は訪ねてみると宜しい。先月の伊勢神宮外宮参詣の時と全く同じ印象を受けました。実に質素でストレート。開放的で静謐。まさに心洗われます。
 七五三シーズンということで、かわいらしく着飾った女の子とその家族たちが何組かいましたが、広い社内に人影はほとんどなく、高天原に漂う神気をぜいたくにも独占させていただきました。
 本殿にお参りし、能舞台の前景となる池の鯉としばしたわむれ、おみくじなど引いてみたりして、すっかり癒された私たちでありました。最近はやりの神社ヒーリングってやつですね。そして、それが実は「みそぎ」になっている。
 やはり、こういうオープンな感じ、シンプルな感じが神道の良さだと思います。もちろん古神道には、いろいろな修法があったりして、極めればそれなりの厳格さがあるわけですが、困ったときの神頼みや、御利益信仰なんていうのも、しっかり受け止めてくれる懐の深さ(いい意味でのいい加減さ)がいいですね。
 そんな神域に別れを告げた私たちは、その数分後には、全く対照的な世界、八ケ岳リゾートアウトレット参拝?を果たし、結局また垢をつけて帰ってきました。「みそぎ」の意味ないじゃん!まあ、ハレとケですか。やっぱり自分も日本人ですな。

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2004.11.22

古池や…

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 今日、H大学の過去問を解いていたら、国語学者柴田武さんの文章に出会いました。岩波書店の「図書」に載った軽めの論考です。それがなかなか面白かった。そこからいろいろ考えました。
 この文章、日本語の複数の概念が英語などのそれと違う、ということを述べているものです。分かりやすいところを抜き出させていただくと、
…「遺族たちが駅に出迎えた」の場合、遺族のなかに当事者の親友がひとり加わっていてもかまわないと思う。
 日本語の《複数》は、閉鎖的、排他的な数集団ではない。英語のchildren(childの複数)といえば、こどもばかりで、大人が入り込むことは言語表現上許されない。…
 こんな感じです。なるほどですなあ。言われてみるとその通り。
 ついでに、考えてみると「子ども」という語は、もともと「子」+「(複数を表す)ども」で、それだけで英語のchildrenの意味なんですよね。だから、子どもが一人います、とか、子どもたち、なんていう表現も本当はおかしいわけですね。a childrenとかchildrensになっちゃう。
 文章の後半は、芭蕉の有名な「古池や蛙飛び込む水の音」の蛙は一匹だと思っていたら、どうもそうではないらしい、ということが書いてありました。なるほど、こんなことも考えたことがなかった。私もまあ一匹ポチョンというイメージでしたし。つまり、この俳句があまりに有名なので、英訳してみようという段になった時、さあ蛙はa(one) frogかfrogsか、という芭蕉が考えもしなかった問題に突き当たった、ということなのでしょう(だいたいtoadかもしれない)。
 みなさんはどう思いますか。句界では、なんとなく複数説が有力なようです。その方が、動と静の対比が出ていいらしい…?そうですかねえ?まあ、正解は芭蕉に訊いてみるしかありません。
 で早速、霊界の芭蕉さんにうかがってみました。そうしたら、なんと、こんなお答えが。
「え〜、そんなの知らんよ。ワシはとにかく『ふかみ』を折り込みたくて、そればっかり考えておったから、そんな蛙が何匹かなんて…。う〜む、たしかに言われてみると…よくわからんなあ。え〜い、これだから南蛮の言葉は嫌いなのじゃ」
 これなら、数百年続いている、この句は名句か駄句か、なんて論争も、お笑い草になるのにね。

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2004.11.21

ロゼッタ・ストーン 『ふたりのパラダイス』 … 石川台中学校校歌

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 今日もまた古くさいネタですみません。それもかなり個人的な思ひ出…。
 20年ぶりに元ベイシティーローラーズのイアン・ミッチェルが来日しました。昨日アキバで(!)ライヴをやったようですね。アイドルとしてまさに女の子たちの黄色い声援を受けていた彼も46歳。自分も年取るはずだわ。
 で、イアン・ミッチェルというと、私の中ではBCRというより、なぜかロゼッタ・ストーンなんですよね。
 ロゼッタ・ストーン…ほとんどの人が知らないでしょう。BCRをゴタゴタで脱退したイアンが結成した、日本向けの(?)バンドです。私の知ってる限り「サンシャイン・ラブ」と「ふたりのパラダイス」しかヒットしなかったと思います。それでも私の記憶にはその2曲のイメージが強く残っています。
 当時、私は洋楽にかなり入れ込んでいたのですが、自分にとってはビルボードやキャッシュボックスといった、アメリカのチャートだけが本当の洋楽で、日本だけで売れるもの(なぜかヨーロッパ系が多い)は意識的に無視していました。その辺が、昨日も書いた私のお変人たる部分だと思うのですが。
 そんな中、当然ロゼッタ・ストーンも私のエアチェックコレクションからは外されました。しかし、巷ではしょっちゅう流れている。それが耳に入る。実はちょっといい曲だな、なんて思ったりしている。でも、自分のプライドがそれを否定する…そんなこんなで心には密かに録音されていたわけです。
 しかし、なにしろ25年の星霜を経てしまいました。記憶の劣化は激しく、イメージだけが残りました。特にシンセのピコピコした音…。
 その曲を、それこそ四半世紀ぶりに今日聴くことができました!!イアンの来日を扱ったFMの番組でかかったのです!う〜ん、懐かしい!そして私の記憶以上にピコピコだあ!そして、中学1年の時の甘酸っぱい思い出が一気に甦ってきました。あんまり懐かしいので、その思い出の舞台、大田区立石川台中学校のホームページを訪ねてみると、おお、校歌が聴けるではありませんか!こちらもそれこそ四半世紀ぶりに歌ってしまいました。涙、涙…。
 すみません、中年の個人的な感傷に付き合わせちゃって…なにやってんだか。

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2004.11.20

うる星やつら

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 私には「遅ればせながら」ということが多すぎます。変わり者だから、流行をあえて追わない傾向があるのだと思います。しかし、実際は流行がとても気になっているのです。したがって、世間のブームから数年、あるいは数十年経ってから一人はまる、ということも多々ありまして、今日のおススメなんか、人が聞いたら笑っちゃうでしょうね。だって、ブーム当時、私は高校生。まさにブームのまっただ中にいたはずでした。それをなんで今になって…。
 いや、こういう姿勢にも意味があると思います。私の世代で、たとえばこの「うる星やつら」を土曜日の朝BS2で見ている人にとっては、たぶん懐かしさがメインの感情でしょう。もちろん新しい発見もあるでしょうが、私のような初体験の感動は味わえないはず。な〜んてね。
 いやいや、それにしても今日の作品も理屈抜きに笑っちゃいました。涙が止まりませんでした。呼吸困難に陥りました。相変わらずのドタバタぶりでしたが、やっぱり時代なんでしょうかねえ、結構危ないのにあっけらかんとしている。アニメに限らず、当時のエンターテインメントはみんなそうでした。いい時代だったのでしょう。押井さんもやりたい放題って感じですね。
 あと、今日の放送を見ながらカミさんと話したんですが、ラムちゃんって嫉妬深くて、とっても女の子女の子してると思ってましたが、その嫉妬の怒りの対象があんまり女性に向かわないんですよね。いつもあたるに向かう。そういう点、やっぱり人間の女じゃなくて、インベーダー(鬼)の女なんでしょうね。リアル人間だったらラムちゃんの魅力半減、いや全滅ですよ。女性の手による少年マンガであることを再確認した次第。
 ps「うる星やつら」のあと、「今日からマ王!」の始まる前のゲストコーナー、今日は森川智之さんだったんですが、テロップが「キアヌ・リブース」になってましたよNHKさん!2ちゃんじゃないんだから(笑)。

その後のうる星ネタはこちらでお読み下さい。

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2004.11.19

『運のつき』 養老孟司 (マガジンハウス)

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 誰が買ったのか、ウチの本棚にあったので、読んでみました。 
 まず南伸坊の装丁が素晴らしい。このデザインに私の脳が反応します。
 肝心の養老節の方はどうでしょうか。まあ、節回しはかなり好調でしたね。内容は、そうですねえ、講演で聞くなら面白いんじゃないですか。その場その場では「あっ」と考えさせられる。しかし、すぐに次の話になっていくから、深くは考えられない。でも「あっ」は「あっ」で、それなりに快感です。
 筆者の本では、『結納論』じゃなくて『唯脳論』と『「都市主義」の限界』、あと、ビートたけしとの対談が格別勉強になりました。それらに比べると、やはり軽いですね。(『パカの壁』についてはノーコメント)
 この本では、珍しく「脳」を連呼していません。私はなんでも「脳」のせいにする、そんな養老先生の脳が大好きですから、ちょっと物足りなかったのでしょう。
 でも、心に残る部分もありましたよ。たとえば、両極端の意見を理解することが中庸である…なぜなら、両極で成り立つことは、その内側でも必ず成り立つ、というお考えには、なるほどと納得させられましたね。そうありたいものです。
 筆者の言う脳化は、私流に言うと「コト化」です。科学や都市が招く「安心」は、「モノ」からのインスタントな逃避だと思います。かないっこありませんが、そのあたりを筆者と語り合ってみたいですなあ。
 そうそう、この本のどこかに唯脳論と阿含経の内容が似ていてびっくりした、というようなことが書いてありました。そこを具体的に知りたいですね。面白そうです。
Amazon 運のつき

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2004.11.18

2ちゃんねるフィルタ

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 先日の「電車男」のところでも書きましたが、2ちゃんねるは独特の言語文化を持っています。2ちゃんリテラシーを学ばないと、なかなか書き込みまでできる、いわゆる「住人」にはなれません。
 言語がコミュニティーを形成する上での重要な条件になるということを、私たちは経験上よく知っています。国語はもちろん、方言、若者語、業界用語、体育会系用語などなど。それが、2ちゃんのような「サイバー世間」にも存在するというのは、実に興味深いことです。
 私も一応2ちゃんの住人だと思うのですが、たとえばここで「さあ2ちゃん語で書き込んでみろ」と言われるとちょっとできない。ウチのカミさんが「秋田弁でしゃべってみて」と言われて躊躇するのと同じ心理でしょう(カミさんの場合は結局しゃべっちゃいますけどね)。
 今日、そういう意味で、実に面白く、実によくできた、しかしほとんど実用性のない、素晴らしい翻訳機を発見しました。「2ちゃんねるフィルタ」…作者は東大の学生さんのようですね。グッジョブ!ハッキリ言ってこういう遊び心大好きです。ニュースのサイトなんかを翻訳すると面白いですよ。
 作者も語ってるように、単純なアルゴリズムですから、ますますそのお馬鹿さ加減が引き立ちます。ものすごく変ですよね。しかし、そこが私には重要なことに思えました。つまり、本気で作った翻訳ソフトもせいぜいこんなものなのです。よく生徒たちが、ネット上の英訳サービスで英訳された英文を和訳サービスで和訳した和文(って、この文自体かなり変)を読んで大笑いしてますよ。
 この文章を2ちゃんねるフィルタで翻訳すると次のようになります。どうぞ、しっかりお読み(お笑い)ください。
  翻訳! (ちなみにリロードするごとに違う訳になるからすごい!しばらく笑えます)

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2004.11.17

『二歩』(小津安二郎監督?)

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 遅ればせながら、ウワサの対局を観戦いたしました。やはりノンフィクションは面白い。予定調和とは違う空気感。素晴らしい緊張感ならぬ弛緩感。
 知らない方のために一応説明しておきますと、これは今年6月にNHKで放送されたものです。豊川孝弘六段と田村康介五段の対局です。緊張感あふれる局面で事件、いや事故は起こりました。
バシッ…
 豊川六段が打った手は、なななんと、見事な「二歩」。

「打っちゃったよ。打っちゃった」と興奮を抑えきれない塚田九段。
「あ〜っ!」と見てはいけないものを見てしまったかのように絶叫する千葉三段。
「先手2九歩」努めて冷静に読み上げる古河二段。
「二歩ですね」いまだ気づかぬ豊川六段に憐れみの引導を渡す田村五段。
「あは〜」田村五段のあまりに直截簡明な言葉に吐息を漏らす千葉三段。
「そうですね。申し訳ない。ダメだね私ね」負けたのに思わず謝罪し自責モードに入る豊川六段。
「〜まで109手をもちまして…」かみかみで終局を宣告する古河二段。
「…」勝者でありながら、小首をかしげ、眉間にしわ寄せ、今にも泣き出しそうな田村五段。
「失礼失礼ブツブツブツ…」天を見上げ、しぼんだ空気をなぜか一人盛り上げようとする豊川六段。

 う〜ん。シュールですねえ。この空気感すごい。最後なんか、静かなる画面に恐ろしいほど多くの感情が交錯する、まるで小津映画のワンシーンになっちゃってます。これをしっかり放送するNHKはやはりすごすぎます。まいった!

YouTubeで観る

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2004.11.16

『マーズ・アタック!』 ティム・バートン監督作品

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 久々に観まして、再び大笑いしてしまいました。
 私は基本的にハリウッド映画が苦手なのですが、この作品はDVDを買って時々観ます。これを観ると、なんだ、ハリウッドもアメリカも大人っぽい部分があるじゃない、と思います。こういう風に自虐的に自らをギャグ化できるというのは、実に健全な体質です。
 ティムがこの映画を撮った頃、本流では「インデペンデンス・デイ」を筆頭に、侵略者、自然災害が猛威を振るい、しかし強いアメリカは多くの困難を乗り越えて愛と自由と平和と正義を勝ち取るみたいな辟易系が、それこそ猛威を振るっていました。彼はそれらに対する辛辣なパロディとしてこの作品を作ったのでしょう。キャスト・スタッフともにものすごいメンバーで本流をおちょくります。
 ワンシーン、ワンシーン、よく観ると実にいろいろな揶揄や風刺がきいていますね。ティムのヲタク気質のなせるワザです。ものすごいお金をかけ、最新のSFXで、チープなB級を表現するという逆説的な技法に感服、いや抱腹いたします。ちょっとやりすぎなくらい。なんでゴジラが突然出てくるんだ???
 役者陣はもうスゴすぎなわけですが、特に「独立記念日」で英雄として描かれた大統領の情けなく笑わせてくれること。ジャック・ニコルソンってホントすごい役者です。そして、私がひそかに大好きなのは、真のエンターテイナー、トム・ジョーンズです!彼の登場自体とっても唐突でいいのですが、あのトボケぶりと唄いっぷりはたまりませんね。「I'm Tom Jones」だけで笑えます。
 表面的には偽善的なアメリカ像を描きながら、さりげなく原住民の問題なんかも扱っていたりして、今になってみると結構深い内容でもあります。こういう作品が、またハリウッドから生まれませんかねえ。そうしたら、アメリカをちょっと見直しちゃうんですけど。
Amazon マーズ・アタック!MARS ATTACKS!

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2004.11.15

『冥途のお客』 佐藤愛子 (光文社)

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 昨日、実家の母から借りてきました。
 私も昔から霊の世界に近い生活をさせていただいています。なんて書くと、大抵バカにされるか、興味本位の質問を受けて閉口するか、どちらかなので、あんまり口外しないことにしています。仕事の上でも、昔若かった頃はよくこの手の話をして、生徒を恐がらせて喜んでいました。しかし、最近はやめました。どちらかというと、自分の頭のどこかがおかしいのだ、それを人に無責任に語るのはよくない、嘘つきになってしまう、と思っています。しかし私にとっての事実は事実で動かしようがない。
 私は、美輪明宏さんの本や佐藤愛子さんの本を読んでも、違和感を全く抱きません。ああ、同じだ。自分と同じような変な人種もいるんだな、いやいや、自分なんてまだまだレペルが低いな、なんて思う程度です。
 で、私も含めてそういう人種の人は、そういう事実に対して、つまりそういう人種であるという事実について、どういうスタンスなのかというと、実は結構楽しんでいることが多いのです。別に不幸でもなんでもありません。どちらかというとラッキー。「モノ」の世界と交信できるということは、自分の世界を無限に拡げる可能性を提供してくれるのですから。
 この佐藤さんのご本も実に楽しげ。そういう人種の人も、そうでない人種の人も、ともに楽しめる内容です。特に、遠藤周作さん、開高健さん、有吉佐和子さん+αが訪ねてくるところ、なんだかうらやましくなりますね。自然と微笑まれます。
 自分の知らない世界、自分の力の及ばない世界、そういうモノがあった方が、絶対楽しいですよ。世の中というか宇宙が、人間の頭の中だけで説明できるのだとしたら、私たちはとうにそんな世界に愛想を尽かしていると思います。
Amazon 冥途のお客 夢か現か、現か夢か

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2004.11.14

『國稀』 特別純米酒

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 チェンバリストの森洋子さんが遊びにいらっしゃいました。手土産に持ってきてくれたのが、日本最北の酒蔵のお酒「國稀」です。私は初めて呑みました。
 北海道の増毛町(ましけ…なんとも御利益のありそうなお名前)で作られているこのお酒。南部杜氏らしく、やや甘口、米の香りの濃厚に残る味わいでした。日本酒らしい日本酒と言えましょう。岩手、秋田のお酒に近い感じでしたが、やはり少しさっぱりしてるかな。そこが北海道なのでしょうか。
 昨日、親戚の結婚式で某銘柄の純米酒をたくさんいただいたのですが、正直はっきりしない味のお酒で今一つ満足できなかったんですよね。「國稀」は、そんなフラストレーションを解消するのに余りある銘酒でした。吟醸系も試してみたいですね。
 今夜は大変贅沢なメニューでした。カミさんのふるさと秋田の名物「きりたんぽ鍋」と、私のふるさと静岡県は焼津からいただいてきた「トンボマグロ」、そして「國稀」ですからねえ。日本人で良かった。みんな妙にしみじみとしてました。海の幸山の幸、そしてうまい酒。たしかに幸せの極みですな。たまりません。
 そんなわけで?宴の後半は、なぜか民謡大会になってしまいました。森さんと私は三味線を引っ張り出してきて、カミさんの唄う秋田民謡を即興で伴奏。最初はおぼつかなかったのですが、だんだんそれらしくなって、とうとう人前でやってしまおう!ということになってしまいました。ははは。お楽しみに。神をも恐れぬ大胆さ。
 自分もこういう歳になったからでしょうかね。本当に日本の伝統的なものに心も体も惹かれるようになりました。そして、心からこの時代にこの国に生まれて良かった、と心から思うようになりました。そんな折、紀宮さまのご婚約のニュースが…。不思議と心安まりました。おめでとうございます。「國稀」で献盃申しあげます。

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2004.11.13

『電車男』 中野独人 (新潮社)

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 う〜ん、不覚にも最初から泣いてしまいました。そして一気に読んでしまいました。文芸作品(?)で、こんなに私を夢中にさせたのは、正直言いますと「バトルロワイヤル」以来です。私の文学的レベルなんてそんなもんです。ははは…。
 私は「モノガタリ」とは「モノ」を「カタル」こと、つまり「受け手の知らない情報」を「メディアを介して受け手に提示する」ことだと考えています。そういう意味で、インターネット上の掲示板は、注目すべきモノガタリの場です。非常に古典的な文字言語と、そこから派生した非常に原初的なイラスト類(AAや顔文字など)とによる語り合い(コミュニケーション)。しかし、そこには非常に現代的な即時性と開放性が付与されている。一方で、各コミュニティー特有の語彙や文法が多用され、その発言(書き込み)内容にもある種独特な掟(空気を読む義務)が存在するため、結局濃厚な社会性を要求される。私はずっと、こういった興味深いメディアが新しい文学を産む可能性があると期待していました。そこに「電車男」が、というより、彼と彼を取り巻く語り部たちが登場したわけです。
 作品は私の予想以上に素晴らしい内容に仕上がっていました。いわゆる生ログでも、それはそれで立派なモノガタリ作品でしょうが、まあ、一般向けとして、こうしたエディッテッド・バージョンもありだと思います。いや、それでも、2ちゃんリテラシーを知らない人にとっては、「場」自体が「モノ」でしょうから、理解不可能かもしれませんね。だからと言って、作品の価値を貶める必要はありません。新しいモノとはいつもそんなものです。
 それにしても、この読後のほのぼの感はなんでしょうね。私はこの作品の主人公は「電車男」でもなく「エルメス」でもないと思います。不特定多数の「Mr.名無しさん」たちだと思います。そして彼ら彼女らの心の温度が、私を温めてくれたのだと思います。なんか、性善説を信じたくなりました。いや、正確に言うとヲタク性善説かな?

ドラマ電車男

Amazon 電車男

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2004.11.12

てれび絵本(NHK教育)

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 今朝は大杉漣でした。この番組なにげにすごい。いろんな意味で。
 教育テレビで朝7時20分から10分間放送されている番組です。毎朝、古今の名作絵本(たまに番組用オリジナル作品も含まれる)を国民のために読み聞かせしてくれます。
 まずその読み手がすごい。今朝は大杉漣。その他今まで印象に残った読み手は、細川俊之・大槻ケンヂ・熊谷真実・江美京子・矢崎滋・中村梅雀・秋野太作・財津一郎・ピエール瀧・山瀬まみ・片桐はいり・中村獅童・濱田マリ・蟹江敬三・室井滋・夏木マリ・筧利夫・篠原ともえ・奥菜恵・渡辺えり子・CHARA・谷啓・国本武春・小倉久寛・毒蝮三太夫…いったいどういう人選してるのでしょう、NHK。素晴らしすぎます。読み手に選ばれた人たち、きっと他の仕事よりも緊張して臨んでいることと思われます。そりゃそうでしょう。ごまかしきかない…他と比較される…。だからこそクオリティーの高い作品に仕上がっているのでしょう。
 また、絵も秀逸です。基本的にはオリジナルの絵本のページをそのまま見せるのですが、主人公など一部が多少動いたり(CGです)、ズームやパンをしたりします。そのさじ加減が絶妙です。適度な抑制がきいています。つまり、飛び出す絵本や動く絵本程度に抑えてあるということです。
 そして音楽。これがまたいい。主張せず背景に徹する、しかし効果的。これは難しいですよ。誰が担当してるかと思えば、そうそうたる人たちじゃないですか。今日は日下義昭さんと渋谷毅さん。大御所でした。まさにプロの仕事。
 全体として、私はこの番組に、アニメーションの原点を見るような気がします。マス・コマーシャルではないアニメーション。必要かつ十分な演出。いわば街角の紙芝居。とっても贅沢なことだと思います。実際、子どもたちの真剣に見入る表情が、古き良き紙芝居の風景を彷彿とさせます。大人がみるべき番組かもしれません。

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2004.11.11

荘野ジュリ 『カゲロウ』

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 この人はいいかもしれない。今後に大いに期待しておススメしておきます。
 「カゲロウ」、いい曲です。FMで聞いて気に入りました。久々にグッと来ました。この手の音楽は元々大好きです。valonの時も書きましたね。テンポ、コード進行、メロディ、アレンジ…。
 しかし、何と言っても、しっとりとした切ない歌声にやられました。こういうタイプのボーカルは、日本のポップスの一つのジャンルのようになっています。淡々としていて心に入ってくる…いかにも日本的です。私も一応日本人ですから、やはりこういうものに反応します。
 作詞の才能もあるようです。石田衣良先生がほめてました(笑)。今回は残念ながらというか、作詞は御本人ではなく松井五郎先生です。そして作曲はJin Nakamura先生。うむ、この組み合わせは柴崎コウですね。なんとなく分かるような気がします。私の中でも同じカテゴリーに入りますね。この二人。
 今なら本人のオフィシャルサイトで1曲まるごと試聴できます。ぜひ聴いてやって下さい。格安のダウンロード販売もありますので、そちらもご利用下さい…ってオレはプロモーターか?
 ついでに販促活動します。12月3日に1stアルバム『36度5分』(つまり平熱ってことか?)が出るようです。これも全曲試聴しましたが、なかなか良さそうですよ。ボサ系の曲も何曲かあったりして、また私のツボにはまっちゃってました。予約しとこうかな。
 このタイプの歌い手は、ドカンとは売れません。しかし、この業界細々とやっていくのも難しい。音楽に平熱を求める人が少ないからです。フィーバーあって初めて平熱のありがたみが分かるというものです。平熱が売れるには、世の中がもっと病的になる必要があるわけで、それはそれで困りますよね。
Amazon カゲロウ/うたかた 36度5分

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2004.11.10

『ためらいの倫理学』 内田樹 (角川文庫)

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 実写版セーラームーンのライヴDVDをCDにしてくれという娘の希望を叶えるべく、そのDVDの音を聞き、映像をチラチラ見ながら、こんな本を読んでしまいました。それがなんだかとても不思議な効果を生みまして、楽しい時間を過ごさせていただきました。
 まず戦争論。「我が意を得たり」という感じで、実に気分よく読み進みました。戦争について語る、あるいは語りたがることは、セーラームーンについて語る、あるいは語りたがることよりずっと低レベルなことです。セーラームーンについて語ることの方がよっぽど健康的、人道的です。筆者も言っていますが、戦地に行ったとか行かないとか、戦争についての情報を知ってるとか知らないとか、この戦争について自分の意見を持ってるとか持ってないとか、そんなことはどうでもいいんです。私も戦争が嫌いで恐いだけです。語ったところで戦争はなくなりません。絶対に。セーラームーンについて語るのはセーラームーンを愛しているからでしょう。嫌いなことは語りたくありません。特に正義と悪については、実際の戦争を舞台に語りたくありません。語れても自分の無責任に責任を持てません。
 フェミニズムについての部分も実に痛快でした。目に飛び込むセーラー戦士たち(つまり若いタレントたち)の魅力的なパフォーマンスは、フェミニズムとは対極にあります。つまり、フェミニズムがこの世を覆い尽くしたら、この魅力的な美神たちは存在しないことになります。そんなのイヤです。フェミニズムって究極の自己愛ですよね。まだフェティシズムの方がカッコいいと思います。美神への愛はもちろんフェティシズムです。
 筆者の繰り返し主張する「自分のバカさ加減をリアルにクールに自己評価できる=知性」という考えに、大いに共感します。無知の知という知性の原点を思い出させてくれました。
「ためらい」は謙虚さの証です。何度も言いますが、私は「コト」より「モノ」の方が好きなんです。
 良書でした。おススメします。
Amazon ためらいの倫理学―戦争・性・物語

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2004.11.09

冬用作務衣(綿入り)

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 羽毛肌掛け布団のおかげで朝4時起きに失敗し続けています。よってこのコーナーの更新も遅れがち。やっぱり贅沢は敵なのか。私の個人的修行生活に(格安とはいえ)羽毛は睡眠欲をかきたてる悪魔的存在なのか…。まあ、どうでもいいや。気持ちいいから…って全然悟ってないじゃん!
 さて、その悪魔的羽毛と一緒に、一つ修行グッズもどきを買ってみました。「作務衣」です。作務とは禅宗の修行におけるお掃除のようなもの。それ自体が修行です。その際着用するのが「作務衣」ですね。本場の作務衣(ナントカ堂謹製)を見せてもらったことがありますが、とてもしっかりしたものでした。その藍染めの色落ち具合が修行の厳しさを物語っておりました。ハイ。そのたたずまいが、当事者でない、つまり部外者の美意識をくすぐります。ハイ。
 というわけで、自他共に認める野狐禅野郎のワタクシも、作務衣を愛用してきました。もちろんなんちゃって作務衣です。だいたいが、自宅でのくつろぎ着として使用しているわけですから、作務衣の作務が聞いて驚く、というか怒っちゃいますね。さらに、今回のは冬用と称して中綿が入っている。これこそまさに野狐禅御用達のトンデモウェアですね。本来の機能を越えた、あるいは無視した贅沢。しかし実は、現代のモノたちはほとんどそういった無意味な付加価値を引き連れて流通している…。
 まあ、そんな分析こそ禅の教えから大きく離れているわけなので置いといて、この製品の着心地はどうだったでしょう。え〜、結論から言いますと、非常によい。暖かい。作務する気が全くなくなる。作務衣の風上にもおけない素晴らしいリラクゼーション効果がありました。満足です。ちなみにこんな素晴らしい製品が2490円でした!

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2004.11.08

ボズ・スキャッグス Greatest Hits Live

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 感動です!本当に久々に非の打ち所のないライブ・ビデオを観ました。
 先週の土曜日、車の中でピーター・バラカンの「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK FM)を聴いていたら、このライブ録音から「Runnin'Blue」がオンエアされまして、それがなんともかっこよかったので、すぐにAmazonでポチいたしました。輸入盤なので格安でした。CDより安い。ただしリージョン1です。
 それが今日届きまして、先ほどAOR大好きなカミさんと一緒に鑑賞しました。珍しく子供たちが早く寝てくれたので、まったりとした大人の時間?を楽しみました。いやぁ、本当にいいんです!ボズは実にうまい具合に年をとっていて、絶妙の脱力感、悟ったように歌います。それをサポートするバックバンドのすごさたるや!TOTO以上かもしれません。ロック、フュージョン、ブルース、ジャズそれぞれを本当に完璧に演奏しています。ピーター・バラカンも言ってましたが、これはCDよりも絶対DVDで観るべきです。かっこよすぎ、おじさん達。
 ところで、ボズってブルースシンガーだったんですね。私はSilk Degreesのボズしか知りませんでしたから、オシャレなAOR(正確にはアダルト・コンテンポラリーか)の歌い手としか認識していませんでした。完全なる勉強不足。
 そういう意味で圧巻だったのは、アンコールの3曲!これはもうぶったまげですよ。古いブルースを2曲、素晴らしい演奏で延々と聴かせ、会場をめちゃくちゃ盛り上げといて、最後はWe Are All Aloneですか。ふ〜。それも実にさりげなく語るようにしみじみと歌います。もう達観しきってますね。
 本当にいろいろな意味で完璧なコンサートだったと思います。一時はもう死んだとまでいわれたボズ。あまりに見事な復活ぶりに思わず涙しました。ゴージャスな夜でした。
Amazon Greatest Hits Live / (Dig)

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2004.11.07

羽毛肌掛け布団

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 ウチは寒いですよ〜。何しろ富士山を3分の1登ったところにありますからね。標高的に単純計算すれば富士山3合目ですから。真冬は−20℃になる朝もあります。
 一応ウチは高断熱の作りですので、室内は下がっても5℃くらいでしょうかね。それでもやはり寒いには寒い。そこで買いました。羽毛布団。
 羽毛布団といえば普通ウン万円もしますよね。もちろんそんなもん買えません。私が今回買ったのは2枚で3980円でした。えっ?0が1個足りないって?いえいえ、3千9百8十円です。2枚でね。1枚なら、え〜と1990円ですか。もちろん新品です。
 実は、私は独身時代、とんでもない所に住んでいまして(例えば無住の荒れ寺とか)、室内が−10℃なんてのはザラの生活をしていました。そんな頃の知恵で、こういう買い物をしたわけです。つまり、羽毛布団は最低限の厚さ(薄さ)があれば充分だということを体験していたのです。体に密着する部分さえ1センチでも羽毛の層があれば、充分暖かい。その外側はごくふつうの布団で全然OKなのです。
 羽毛の産地(?)、実際の鳥を見れば一目瞭然。10センチの厚さの体毛を持った鳥というのはいませんね。寒い日のふくれた(鳥肌が立っている)鳥の体毛の厚さはせいぜい1センチか、大型のものでも2センチ。その中に空気をためこめば充分暖かいのです。
 こういう薄手のいわゆる羽毛肌掛け布団というのは、実に重宝します。夏場はこいつを1枚かけておけば、暑くもなく涼しすぎることもありません。微妙な温度&湿度調節こそ羽毛の得意とする技です。
 昨晩、早速使用してみましたが、いや〜極楽極楽。ホントに久々に死んだように眠っていたらしく、カミさんがびっくりしてました。いい買い物でした。ちなみに「楽天」さんで検索して最安のお店で買いました。

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2004.11.06

『封印作品の謎』 安藤健二 (太田出版)

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 力作です。有名なウルトラセブン第12話など、封印されてしまいウワサや憶測が先行してしまっているメディア作品の真相に迫っています。友人が面白いですよと貸してくれました。
 もともと、影の歴史や差別問題、さらには裏情報などに目がない私のことです。こういったネタは大好き。一気に読んでしまいました。上質なドキュメンタリー番組を見たような読後感が残りました。
 セブンの第12話など、ある程度の知識はあったつもりでしたが、筆者の語る真相は新しい発見に満ちており、いかに私の思い込みがいい加減なものかよくわかりました。無責任な掲示板の情報などを鵜呑みにして、シッタカをきめこんでいたと思うと恥ずかしい限りです。
 この筆者は、なかなか冷静沈着です。さすが元新聞記者。ルポの内容も説得力があります。単に興味をあおるような物書きさんたちとは一線を画し、ていねいにていねいに取材しています。結局謎のままという部分も多いわけですが、決して消化不良に終わりません。逆に納得して終われます。やはり、どこか、謎のまま闇のまま終わってほしいという願望が、私にあるのでしょう。そのあたりが絶妙のバランスでしたね。私には。
 封印させる側の論理、封印する側の論理、両方理解できます。もちろんそうした衝突を事前に避けたいメディア側の論理もわかります。しかし、封印することが逆差別になりうることも忘れてはなりません。小人プロレスなんかもそうですね。
 ブラックジャックに封印された作品があることなど、不勉強な私は知りませんでした。読了後、生徒が持っていた文庫版BJの一冊をめくったら、本当に偶然、この本で話題になっていた「フィルムは二つあった」が載っていました。今まで何気なく読んでいたものが、全く違って見えたのでびっくりしました。これが勉強の面白さですね。
Amazon 封印作品の謎

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2004.11.05

えいご漬け 2回戦  (プラト)

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 英語学習のソフトです。私はこれがけっこう好きです。私には英語を勉強する必要性は全くないのですが、受験生と過ごす時間が多いものですから、なんか生徒の方が英語ができるのが悔しくて(その悔しい理由もないのですが)、ついひそかにこのソフトで勉強してしまいます。
 このソフト、シンプルさが売りです。基本的には、ディクテーションをコンピュータのキーボードでやるだけです。しかし、そのシンプルさが実にさわやかでいやみがなく、続けてやっても苦痛になりません。人を引きつけようとするあまり、過剰に媚びを売ってくるソフトが多い中で、これは珍しい。間違っても怒ったりしませんし。いい人なソフトなのです。
 ここに登場する単語や例文は、桐原書店の英単語集「データベース4500」に掲載されているものです。ですから、センター試験でリスニングが必須になるこれからの受験生にもってこいですよ。スピーキングのスピードも適当です。Mac・Windowsハイブリッドである上、動作も超軽快ですから、生徒におススメしまくってます。生徒たちの反応も上々ですね。力もついています。
 私は親指シフターゆえ、英字をタイプするのが苦手、というかほとんどできませんでしたが、このソフトのおかげでかなり自然にできるようになりました。つまり、タイピングソフトとしても優れていたということです。
 シリーズとして、いろいろな趣向のソフトが出ています。えいご漬け2回戦もまだまだ終わりそうにないのですが、次は何をやろうかと考えているところです。安いのもグーですね。
Amazon えいご漬け 2回戦

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2004.11.04

市長さんと話す会in○○○○市

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    ○○○○市のライヴカメラ映像より
 今日、ウチの学校では3年生が芸術鑑賞ということで、劇団四季を観に行っています。今年は「マンマ・ミア」。私も行きたかった!残念。しかし、私は私で、ある意味演劇を鑑賞してきました。 
 今、ちょうど帰ってきたところなのですが、富士山を望む某市の「市長さんと話す会」というのに参加したのです。
 基本的に小中学生(+高校生)が「明るく元気で、やさしさあふれる街づくり」について、市長さんを交えて話し合うというものでした。とは言っても、結局先生が用意した原稿を決まった順に児童生徒たちが読んでいく…というものでしかなく、出てくる言葉は「ボランティア」「リサイクル」「あいさつ」「花いっぱい」「募金」「清掃」…ハイハイ、もうそういうことはどうでもいいですよ、っていう感じの内容でした。全く心に迫らない。演劇としてはごくごく平凡。あんまり普通なので、ウチの生徒たちを使って少しシナリオにない波風を立ててあげましたけどね。
 どうなんでしょう、教育としては。こういう大人の世界のホンネとタテマエとか、根回し、偽善みたいなものを、純粋な児童生徒達に教えるという意味では成功してると思います。けれどそれで本当にいいんでしょうかね。
 そんなことより、市長さんやら三役の皆さんには、真剣にこの某市のことを考えてもらいたい。ハッキリ言って「暗く元気なく、やさしさのない街」になっているのは、自分の利害(金=派閥争い)のことしか考えてない行政の皆さんのおかげだと思うのですが。
 ちょっと毒舌に過ぎるかな。

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2004.11.03

立教女学院 文化祭において…

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 今日は立教女学院の文化祭に招かれて、ペルゴレージのスターバトマーテルを演奏してきました。
 毎年文化の日と言えば晴れの特異日。朝は冷え込みがきつく、富士山麓では軽く氷点下になるのが当たり前のはずですが、今日は妙に暖かく、東京では汗ばむほどの陽気になりました。
 そんな中、三鷹台にある立教女学院に到着した私は、最初からかなり緊張気味。いえいえ、本番前の緊張ではありません。禁断の地へ足を踏み込んだ緊張感です。
 朝9時前到着。まず、正門で警備のおにいさんに素性を確認され、駐車許可証とIDカードを受け取ります。ふだんは完全男子禁制といいますから、まあ当然のチェックです。続いて、演奏会場の場所を確認するために、文化祭の受付へ。そこには同短大生とおぼしきお上品なお嬢様が数名。やさしく応待してくれました。そして、目的の聖マリア礼拝堂への近道ということで、同高等学校の校舎内に潜入。私は全身黒装束に妖しい黒いケースといういでたちでしたから、準備に忙しい女子高生たちのいぶかしげな視線を浴びる結果に。こりゃどう見ても「テロリスト」か「いんちきマジシャン」だな。妙におどおどしながらも、やさしい生徒会役員さんに案内してもらい、無事礼拝堂に到着。やっと緊張が解けました。仕事柄…、というか仕事そのものの舞台が高校であるはずなのに、この違和感は…。やっぱり女子校は聖地ですな。私のようなモノが出入りするところではありません。
 さて、リハーサルなどをつつがなく終え、開場の時間になりました。さあ、お客さんはどのくらいいるかな?と、のぞいてみると、すごい行列ではないですか。え〜!?さすが、こんな渋い演目でも、こんなに人が来るんだ!と思ったら、違いました。私たちのコンサートのあとに行われる、お笑いライヴの整理券を発行しているのでした。ちなみにスピードワゴンも出演するということで、う〜んオレも見たい!!なんて自分の仕事を忘れて興奮してしまいました。
 さて、自分たちの演奏ですが、なかなか良かったと思いますよ。特にソリストの山内房子さんと上杉清仁くんと共演できたことは、幸せの極みでした。

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2004.11.02

『日本人の神』 大野晋 (新潮文庫)

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 楽しく読めました。大野さんは本当に根っからのチャレンジャーですね。他の人では尻込みするようなことを平気でやってのけてしまう。そこが魅力であり、欠点であるわけです(失礼)。
 日本人の神とは、こりゃまた壮大なテーマです。大野さんは国語学者ですから、これは正直言って専門外。そういうところに異種格闘技戦を挑むところがすごいですね。しかし、自分の経験と技術には絶対の自信を持っていらっしゃるから、それなりの試合になる。御自身のペースの試合に。そこが魅力であり、欠点であるわけです(失礼)。
 なんか、アントニオ猪木みたいですね。まあ、カリスマであることは認めましょう。
 というわけで、この本もなかなか魅力的な試合内容になっています。さすがに重いテーマですので、かなり計算された試合運びです。まず、神の語源について、例の上代特殊仮名遣いという得意技で機先を制します。しかし、そこからは過去の文献、過去の研究史をなぞるように御自身が謙虚に学んでゆきます。相手のペースに合わせてますね。なかなかの試合巧者。
 そして試合後半は、当然必殺技の連続に持っていきます。「タミル語」攻撃です。これでもかこれでもかと神に関する日本語とタミル語を組み合わせていきます。たしかに迫力あるし、ちょっとビビります。
 で、しっかり自分の勝利を手中にしたところで、再び相手を思いやるようなそぶりを見せます。う〜ん、素晴らしいレスラーですね。おっと失言。
 そして、なんと言っても試合後の勝利者インタビューが最高ですね。曰く、
「神道の専門家、国学院大学の平井直房教授が、内容を一閲して下さった…(中略)ただ、御意見を必ずしも受け入れなかったことは、御寛恕いただきたいと思う」
 面目躍如ですな。
Amazon 日本人の神 新潮文庫

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2004.11.01

Double Saucer 2

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 新型iMacが到着して一週間ほど経ちました。まあまあ、快調に働いております。keynoteでのプレゼン作成は難渋しておりますが。
 さて、今日はCD、DVDのクローニングソフト「Double Saucer 2」を入手しました。仕事柄(?)何かとクローニングすることが多いものですから(合法的にですよ)、act2のホームページでダウンロード販売されているものを買いました。OSXでは、いわゆる焼く行為というのが、とても簡単に出来るのですが、クローンはちょっと面倒です。それに比べて、たしかにこのソフトは非常にシンプルです。ただボタンを一つ押せばいいという感じ。便利です。
 今までも各種データのバックアップを怠って痛い目に遭っています。またバックアップしたはずのディスクが損傷したり、紛失したりということもありました。まあ、単に私がズボラだということですね。ですから、こういったシンプルな作業でクローニングができるソフトは、私にとってまさに救世主です。
 あまりにシンプルな機能しかないので、他の例えば「Toast」なんかと比べると、見劣りするような気がしますが、ダウンロード版なら半額以下ですから、まあとりあえずクローニングのことだけ考えると納得と言えます。
 それにしても、本当に時代は変わりましたね。クローンに関する倫理の問題は、いわゆるバイオの世界だけではありません。同じものが二つと無い(不二)のが、この世の中の原理だったはずです。デジタル化の恩恵と弊害について考えなくてはいけないのでしょうが、そんなことより目先の必要に迫られる自分がここにいるんですよね。いや、そう心配することないのかな。モノとしてはクローンであっても、コトとしては絶対に同一ではありえないのですから。たぶん。
Amazon Double Saucer 2

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