ドラマ『最後の弾丸』 玉置浩二主演
学校で戦争を扱うというのは、難しいものがあります。避けたい物言いはセンチメンタルとエモーショナルです。私は、いくつかの映像作品を見せて、それでおしまいにします。その第1弾。第1弾なのに「最後の弾丸」。
1995年の日豪共同作品(テレビドラマ)です。かなり水準の高い作品でありながら、なぜ再放送やDVD化がされないのでしょう。劇場で公開してもよい出来です。私の心をとらえて離さない映像作品の一つです。
ストーリーは、ジャングルで1対1になった日本兵とオーストラリア兵の、殺すか殺されるかの攻防、そしてお互い最後の弾丸を何に使ったか…こんなところですが、私は何度見ても戦慄し、感動し、涙があふれてしまいます。そして、つくづく戦争には行きたくない、と思うのでした。
このドラマの見どころはいろいろあります。脚本の秀逸さ、美化されない戦地の描写、そして両国を代表する(していた)歌手、玉置浩二とジェイソン・ドノバンのものすごい演技。私はこれを見るまで玉置浩二があまり好きではなかったのですが、彼の演技と彼の作曲したエンディングのインスト曲にすっかりしびれてしまいました。才能あるわ。
戦争における日本人というのは、本当に異常ですね。武士道の伝統なのか、単に純粋すぎて洗脳されやすいのか知りませんが、敵国に恐れられるのも分かります。理解できないことほど恐いものはないでしょう。
ところで、マタギ出身の狙撃兵って、ホントにめちゃくちゃ強かった(上手かった)らしいですね。たしかにあれも「道(猟道?)」でしたからね。精神性で戦っていたんですね、日本人は。痛々しいことです。
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期間限定公開 エンディングmp3
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コメント
めちゃめちゃ観てみたいです。
うーん、7000円です。。
本などが出てないか、探してみます。
最後の弾丸は何に使われたのでしょう。
ライフ・イズ・ビューティフルも、本当にいい映画ですね。
戦争は、苦しいですね。
ほんとに・・そうですね、みんなが1日1食にする心意気があれば。。
とりあえず、しばらく1日2食を頑張ってみます。
投稿: カズ | 2007.02.10 03:11
カズさん、めちゃくちゃ亀レスすみません。
昨日再放送されましたね。
実は昨年の夏にもやってました。
10年たって突然再放送が始まったのには何か理由がありそうです。
字幕版で観るとまた雰囲気が違ってました。
吹き替えの方が迫力あるのはなぜ?
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.04.02 04:34
ガーン!
なんてことでしょう・・再放送、知りませんでした。
ショックです。うう~。
あぁ、ガックリです。新聞を見てなかったのが悔やまれます。
題名は違うけど、原本が図書館にある・・というところまで調べて、まだ読んでいません。とりあえず借りてみよう。。
投稿: カズ | 2007.04.04 23:54
カズさん、もしよかったらDVD送りますよ。
あんまりきれいな映像ではありませんが。
メールで連絡下さい。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.04.05 10:43
>戦争における日本人というのは、本当に異常ですね。
>精神性で戦っていたんですね、日本人は。痛々しいことです。
日本人だけが戦争で異常になるという書きかたはどうかと思います。
それはただの偏見ですよね。
それこそ戦争の種じゃないですか。
狂気の現われ方は人それぞれに個性があるかもしれませんが、この頃戦場の異常な出来事なんて世界のどこの国でもあったんですが。
このドラマは戦争を美化したり無駄に卑屈に描いたりしてはいないかもしれないですが、あなたの見方が偏っているとしか思えません。
投稿: p | 2008.12.23 21:59
pさん、貴重な意見ありがとうございます。
ただ…私は「だけ」とは言ってませんし、そんなこと思ってませんよ。
あくまで「戦争における日本人」ということであって、私の大好きな普通時の日本人と比較しての話です。
客観的に見て、他国と違う狂気の形だというだけです。
あなたのおっしゃるとおり狂気の現れ方の話ですね。
誤解を受けるような表現であったならお詫びします。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.12.23 22:25