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2004.09.16

『父・山口多聞 空母「飛龍」の最後と多聞「愛」の手紙』 山口宗敏 (光人社)

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 東京オリンピック開催、新幹線開業など、まさに戦後は終わったという節目の年に、私は生まれました。しかし、今思うと、私の幼いころは、高度経済成長の東京の地下道で、傷痍軍人が哀愁漂うハーモニカを吹いていたりして、実は戦争の残映が色濃く残っていたのでした。小学生の私の趣味も、戦記を読み、戦艦や戦闘機のプラモデルを作ることでしたし。
 そんな中、最も好きな軍人さん、なんてのもあって、それは空母飛龍の艦長「山口多聞」。単に自分と同じ苗字だったからでしょう(誕生日も一緒!)。空母大好きでしたし。まあ、ミッドウェー海戦記などを読んで、最期まで飛龍と運命を共にした名将、烈将として、心から惚れていたとも言えます。
 で、この本を読んでみて、本当にビックリ!軍人多聞からは想像しがたい、人間多聞がそこにいました。特に、二人目の奥さん孝子さんに対するすさまじいまでの愛情。こちらが照れくさくなるような手紙が多数紹介されています。それぞれの手紙の最後には、「貴女のことを忘れられない多聞より 私の好きでたまらない孝子さんへ」「貴女ノ写真バカリ眺メテイル多聞ヨリ ナツカシクテ食ベテシマイタイ孝子様へ」なんて言葉が並んでいるのです。
 お国のためと言いながら、実際はどんな気持ちで南洋に没していったのか、ちょっと考えさせられました。やはり戦争はいけませんね。
Amazon 父・山口多聞

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