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2004.09.11

Janusz Olejniczak  Genuine Chopin

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 このレコーディングも、今手に入りにくくなっているようですね。どういうわけでしょう。ここで演奏されているのは、ショパン自身が所有していたプレイエル1831です。この楽器の現在のコンディションがどんなものか私は知りませんが、実にすばらしい音色です。これを聴いてしまうと、現代のグランドピアノ(私は近代が生んだ化け物だと思いますが)で、ショパンを弾くことが、どうしても正しく思えません。ショパンも新しいモノ好きでしたから、改良されたピアノをどんどん手に入れています。しかし、現代のピアノを触ってみて、はたしてこれを弾きたい!と思うかどうか。ちょっと懐疑的になりますね。
 こうしてオリジナルの楽器で演奏されることによって、聴き慣れた(というほど聴いてませんが)ショパンの音楽が、全く違ったキャラクターでこちらに迫ってきます。とにかく繊細さを極めているのです。特にプレイエルの高音域は、まるでチェンバロのような響きがします。その鍵盤に、ショパンがどういう優しさとしなやかさをもって触れたのか、そんなことも自然と思い浮かべられる音色です。
 あっそうそう、演奏者のことも言わなくちゃ。この人、映画「戦場のピアニスト」の演奏を担当した人ですね。ショパンになりきって演奏をしています(たぶん)。時々ゾッとするような、かなり霊的な演奏です。
 歴史的な名盤。おススメ。
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