C.ダグラス・ラミス 経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか(平凡社)

ようやく最近景気が回復してきました。なんとなく明るい気持ちになるのが普通だと思いますが、これを読むと手放しでは喜べませんね。
結局は、人間という生きものがひどくエゴイスティックであり、たとえば自分の子どもが生きていくであろう将来のことさえも、いい加減にしか考えていないということでしょう。今の幸せ、いや快楽…ココロヨク、ラクチン…であることだけを追い求めるあまり、筆者の言う発展イデオロギーというものを創り上げるまでに至った。違和感を覚えつつも、その不文律に従わざるを得ない自分が、今ここにいます。皆が分かっているのです。このまま進めば人類がどうなるのか、いや人類だけでない、その他の種にまで害を及ぼすことを。しかし、誰も止められない。これを筆者は、氷山にぶつかることが分かっていながら進み続ける「タイタニック号」に喩えています。
developの反対語がenvelopだったとは、この本を読んで初めて知りました。そうすると、木を切って土を削って人工物で覆い尽くすのが、developmentではないということがはっきりしますね。正しいイメージとしては、「花開く」というのが妥当ではないでしょうか。そうだとすれば、「消費が増えた」と言って喜んでいる日本も、やっぱりダメなのでしょうか。消費が招くのは枯死でしょうから。
悩んでしまいます、タイタニック号の上で。
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