『赤ちゃんと脳科学』 小西行郎 (集英社新書)
ある大学のAO入試での課題図書となっている本です。私も指導するために読んでみました。
今世の中では脳科学が大流行です。特に育児の分野では、子どもの脳を早期に刺激することが、ブームを越えて、なんか義務のようになっています。たしかに周囲を見ると、英語に音楽に水泳に、3歳とか4歳の子どもたちはとても忙しそうです。大変ですね。
ウチは全くそういうことをやっていません。やる必要性を感じないからです。自然に遊んでいれば、それでいいと思うのですが。世界史に名を残した天才だけとってみても、誰も早期教育なんて受けてませんよ。
この本は、脳科学の立場から、そういった迷信、特にお母さん方の思い込みに対して警鐘を鳴らしています。早期教育は小さな脳に過度な負担を与えるというわけです。脳科学の流行が、非科学的な迷信を生んだことに、責任と困惑を感じているようですね。
面白いのは、最終的に「親が子どもの手本となれ」と言っているところでしょうか。結局、科学ではなくて、大昔から言われてきた当たり前の結論に至ってしまっているわけです。それで充分なのでしょう。しかし、今も昔もそれが難しいことなのです。そこに不安を感じる親たち、ある意味コンプレックスを抱えた親たちが、悪徳商売に乗らされている、ということでしょう。 本当にご苦労なことです。
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