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2004.08.27

榊 莫山   書のこころ  (NHKライブラリー)

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 いい本です。ぜったいにおススメです。
 これは、十年以上前に「人間大学」のテキストとして出版されたものの改訂版です。日本の書家16人を取り上げ、それぞれの人となり、人生、作品について闊達に語っています。莫山先生、書・画・詩の天才であることは誰もが知っていますが、私が今回あらためて(十年ぶりくらいに)読んでみて感じたのは、文がうますぎる!ということです。簡潔にして無駄がなく、流麗で奔放、知性的でありつつ詩的。私にとっては完璧に近い文章でした。
 今までどこか遠い存在だった書家たちが、今ここに現れて、目前で筆を揮っているかのように感じられます。こういう人がたまにいるんですよね。文筆家ではないのに、さりげなく超一流の文章を書いてしまう人。うらやましい限りです。やはり、何かホンモノを会得しているからこそできるのでしょう、そういうことが。
 莫山先生が紹介している書の中で、私のお気に入りとなったのは、佐理の「詫び状」と、良寛の「いんきんたむし」です。決して作品として書いたのではない、ましてや芸術として残そうとしたのではない、しかし、その美しさや洒落っ気、禅味というものは、一級品です。本来の書のあり方を示して、悠然と、しかし飄々としてそこにあります。
 アートをきどり、しかしコンペには殊の外熱心な今どきの書家たちは、こういうものを見て、何を思うのでしょう。

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